中国の企業や個人の目から見ると、日本の不動産は確かに投資価値がある。バブル崩壊後、長期にわたる調整を経て、日本の不動産価格にはすでに割安感が出ている。東京では、銀座をはじめとする一部地域を除いて、多くの地域の不動産価格は北京や上海と同じ水準になり、そのうえ賃貸・販売の比率が高く不動産税が低いため、購入後に賃貸すればリターンは高い。
東京で不動産に長期投資する北京出身の女性は以前、記者に対して自身の投資方法を紹介した。東京の「山手線」の主要駅の周辺で駅まで徒歩数分のマンションを探し、ローンを組んで購入した後すぐに賃貸し、賃貸料をローン返済に充てるという方法だ。東京の賃貸・販売の比率は高い(通常10年後に購入資金を回収できる)ため、こうした投資は利益が大きい。この女性は東京でマンション数軒を購入した。最も狭い物件はわずか十数平方メートルで、人民元にして30万元程度だ。
また、日本列島の環境はよく、風景が美しく過ごしやすく、老人ホーム、静養施設及び観光用不動産の開発も早くから始まり、中国人投資家を引きつけている。生活施設が整っている小さな町の庭や畑付きの別荘は100~200万元で、中国の先進都市と比べても手ごろな価格だと言える。
日本の一部の地域や企業も外国からの投資を歓迎している。現在、深刻な「少子高齢化」の影響により、多くの小都市や町で人口構成の急速な高齢化が進んでいる。また、地方経済に活発さが欠けているため、外国からの投資を歓迎する地域も多い。日本の不動産税はもともと高くないが、外国人による不動産購入を奨励するため、一部の地域は不動産税の免除などの優遇措置を打ち出した。
中国の観光当局によると、バブル経済時代、日本は牧場、森林、温泉などをテーマとした観光用不動産や観光ホテルを開発した。ところが、経済情勢の起伏により、多くの開発業者は負担に耐え切れず、譲渡を求めるようになった。日本の不動産仲介サイトでは温泉ホテルや観光ホテルの販売情報をよく目にする。こうした背景のもとで、一部の中国企業は北海道、富士山周辺などに観光用不動産を購入したり開発したりし、中国人向けに賃貸・販売するようになった。日本国内の空気を考えると、これらの企業は控えめな姿勢を取るしかないが、地元政府の支持を得ていると同時に、日本の法律に合致し、地元経済を促進することは間違いない。
「軍事要所」も景勝地