報道によると、日本の玄葉光一郎外相は24日、釣魚島について「日米安全保障条約の対象になる。私とクリントン米国務長官との間で確認されている」と述べた。釣魚島で有事が発生した場合、日米は共同で対応することになる。
釣魚島問題は中日間の問題だが、米国にも波及する。まず、米国は1972年に釣魚島の施政権を勝手に日本に引き渡し、アジア太平洋地域における戦略と経済的利益を維持するため、中日の接近を阻止しようとあらゆる手段を講じてきた。米国は当時、これが中日関係を裂くという「すばらしい効果」につながるとは思っていなかったかもしれない。
次に、「釣魚島は日米安全保障条約の対象になる」という今回の発言は新たに生まれたものではない。早くも2010年、クリントン米国務長官は「釣魚島は日米安全保障条約第5条の適用対象範囲内である」と述べ、今年7月にも米国務省の高官が同様の発言をした。しかし、日米安全保障条約第5条に適用されるのは「日本の施政下にある領土」であり、1972年に日本に引き渡されたのは釣魚島の施政権だけで、米国は日本が主権を持つ「領土」だと認めていない。それなのに、どうして釣魚島は第5条の適用対象範囲内だと言えるのだろうか。
さらに、米国は釣魚島とその付属島嶼の施政権を日本に引き渡したあと、その周辺の黄尾嶼と赤尾嶼を長期にわたって米軍の射的場にしてきた。石原氏が購入を計画しても、野田首相が管理を強化しても、釣魚島とその付属島嶼には米軍の射的場があることになる。
要するに、問題は引き起こした本人でないと解決できない。中日米は釣魚島問題について3国対話を行う必要があると思う。たとえ戦略的3国対話が今はできないとしてもだ。今年4月に石原氏が島購入構想を打ち出してから、中日間の釣魚島問題における矛盾は激化し、今すぐにでも中国と戦うという勢いが見られた。石原派が中日間の対立の扇動に躍起なのは、釣魚島で有事が発生したとき、米国は日本と共同で対応するためである。では、現在の中米関係は、米国が中国と武力衝突する気になるほど緊迫化したかといえば、そうではない。
あらゆる面から言って、中日米が釣魚島問題の背後にある国際情勢を正確に判断するために共同で話し合う必要があることは確かだ。中日米による釣魚島問題をめぐる3国対話を早急に行うのが望ましい。(中国社会科学院名誉学部委員 馮昭奎)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月25日