第二に、直面する国際環境が違う。1960年代といえば、世界的資本主義の急成長期であり、当時の米国も自由貿易を提唱し、国際貨幣体系も固定相場制のブレトン・ウッズ体制だった。これにより、当時の日本は国内外市場の需要を十分に利用し、自国の工業を発展させることができた。日本の国民所得倍増計画の実施は日本に多額の貿易赤字をもたらすことはなく、逆に1970年以降の黒字が拡大した。これは、当時の国際経済環境があってこその結果である。一方で、中国が現在置かれている国際経済環境には厳しいものがある。世界経済がみな活力を失い、貿易保護主義が各国で頭をもたげ、人民元の切り上げ圧力も依然大きく、中国が外需を利用してさらに成長を遂げることは非常に難しくなっている。
第三に、中国の今の都市化レベル(51%)は日本の1960年の65%に及ばず、中国は都市化レベルを高めることで、都市部と農村の収入格差を縮小するだろう。
夏楽氏は言う。「いずれにせよ、中国には巨大な潜在能力が眠っている。だが、今中国が直面している状況は、関連制度や政策の策定に大きな難題を突きつけている。」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月24日