オーストラリア国立大学太平洋アジア研究学院歴史学科ガヴァン・マコーマック教授は、「最近の日中の緊張情勢激化が島民の賛否両論を招いた。衰退する経済への投資獲得を望む声もあれば、これまでほとんど目を向けられなかった島が中国の標的になる可能性があるという懸念の声もある」と指摘する。
08年時には多数の島民が部隊常駐を支持していた。当時の日中関係はわりとよかった。与那国島の北にある釣魚島の領有権を巡る両国の対立が深まるにつれ、島民は陸上自衛隊を歓迎しなくなった。
マコーマック教授は、「仮に中日で戦争が勃発すれば、与那国島は直接中国のミサイル攻撃の目標になり、すぐに壊滅する」とし、「この賛否両論で外間町長は窮地に陥った。最初は経済刺激の立場から島への陸上自衛隊配置を支持していたが、最近では反対の声が大きくなり、彼の再任に影響する可能性が出てきた」と指摘。
与那国島問題の象徴的意義と戦略的意義はいずれも非常に重要だ。昨年発足した安倍政権はわずか0.8%増だが11年ぶりに防衛費を増額した日本の政権だ。日本の列島線保護と中国の潜在的脅威を牽制する能力増強が安倍政権が今のところ優先的に考える戦略的重点となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月3日