朝鮮の「労働新聞」は飯島氏が訪朝した翌日、「日本は(過去の日本帝国主義による)国家的犯罪を謝罪し、補償すべきだ」と主張した。これについて同社説は、朝鮮が日本との国交正常化交渉で期待することは、これが実現した場合に受け取る巨額の現金であると分析。日本は朝鮮による核開発やミサイル開発に対し、韓米より強硬な立場を示してきた。
その日本が、韓米首脳が「朝鮮の挑発行為には見返りを与えない」と表明してわずか数日後に飯島氏を訪朝させた。日本人拉致問題が日本国内で占める政治的な意味合いと重要性を考慮しても、日本がこの時期に韓米日3カ国の協力体制から離脱するかのような動きを示すのは、7月に予定されている参議院選挙と関係がありそうだと同社説は指摘する。
安倍首相と与党自民党は7月の選挙で勝利し、平和憲法を改正して再武装路線を進む考えをこれまで公然と主張してきた。
安倍首相は日本の帝国主義による侵略戦争を否定するだけでなく、「731細菌戦部隊」を連想させる731航空自衛隊機に乗り、親指を立てて記念写真を撮った。
このような安倍首相が自らの側近を極秘に朝鮮に派遣したのを見て、韓国政府と国民が日本は朝鮮を利用して韓国に圧力を加えようとしているのではないかと疑いを持つのは当然のことだ。米国も、韓米日の協力体制を動揺させると不満に思っているはずだ。
そして社説は、「安倍の日本」が北東アジアの懸念の種になりつつあるとまとめている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月17日