NHKは21日夜、出口調査と選挙状況の分析に基づき、「安倍晋三首相率いる自民党と公明党が、第23回参議院選挙で過半数の議席を占めることがほぼ確定的となり、日本の政界で問題となっていたねじれ国会を解消することとなった」と伝えた。これは安倍首相と自民党が、久々の長期政権を手にする可能性を意味する。全体的に見て、安倍首相と自民党の勝利には、次の三つの理由がある。
(一)アベノミクスによる短期的な好況により、有権者が安倍政権の継続に期待を寄せている。アベノミクスのいわゆる3本の矢のうち、大規模な量的緩和策の短期的な景気刺激効果は、特に際立っている。自民党は選挙の中で、アベノミクスが今後も効果を維持できるか、日本経済が復活を実現できるかは、政権与党がねじれ国会の束縛から脱却できるか否かにかかっていることを再三強調した。日本経済の回復の勢いを止めたくない大部分の有権者は、このような主張に煽られやすい。
(二)弱すぎる野党。政策綱領がはっきりしている自民党と比べ、先ほど政権を明け渡した民主党を含めた野党は、主な選挙議題を巡り力を合わせられなかった。また野党同士が限り有る票を分け合うことで、自民党が漁夫の利を得た。日本維新の会、みんなの党などの「新興」政党は、改憲などの主要政策で自民党との間に大きく異る点がなく、現状を不満とする有権者の選択肢が極端に狭められた。
(三)自民党は選挙期間中、原発・改憲・消費税・社会保障などの敏感な議題を回避した。世論操作を通じ、自民党は今回の選挙をアベノミクスに対する投票に変えた。野党の攻撃は的を失い、意余って力足らずとなった。