「新華毎日電訊」は7月11日、国際評論欄「好望角」に徐剣梅氏による「歴史と外交は切り離せるか」と題した文章を掲載した。以下はその全文。
尊厳あるどの国も、最大限に歴史に誇りを感じることを望んでいる。
問題は、歴史には良いものと悪いものがあり、全ての歴史が誇れるわけではないことである。ドイツはゲーテとシラーに誇りを持つが、ヒトラーとユダヤ人虐殺に誇りを持ったりはしない。米国はリンカーンとジョブス氏に誇りを持つが、黒人奴隷制度とベトナム戦争に誇りを持ったりはしない。南アフリカは真実と和解を求めたマンデラに誇りを持つが、長く血生臭いアパルトヘイトに誇りを持ったりはしない。
冷静になってみると、日本には誇りを持てる人物と出来事が多くある。紫式部の『源氏物語』、「夜中の四時に目がさめた。海棠の花は眠っていなかった」と記した川端康成、山口百恵のすがすがしい歌声、アニメ『鉄腕アトム』や『美少女戦士セーラームーン』、19人のノーベル賞受賞者、中国北西部で14年間にわたって植樹・砂漠緑化に取り組んだ遠山正瑛氏など、挙げればきりがない。
残念なことに、日本の安倍晋三首相は、日本が中国全面侵略戦争を発動した7月7日という日に、侵略の歴史に関する認識に言及した際、「日本にも誇れる歴史がある。互いに尊重していくことが最も重要だ」と発言した。また、9日のTBSの番組での党首討論で、歴史認識問題と外交には違いがあり、中国は歴史認識問題を外交に持ち出していると非難した。