安倍氏は五輪成功を望む前に原発問題の解決を

安倍氏は五輪成功を望む前に原発問題の解決を。 2020年の五輪招致の最終段階で、福島第一原発の放射性汚染水流出の問題が世界の注目を集め、東京招致にマイナス要素をもたらした。安倍氏は日本政府が汚染水問題の処理ついて大きな困難に直面していることをまず認める必要があり、徹底的な解決に向けて国際社会に援助を要請すべきだと筆者は考える…

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発信時間: 2013-09-16 10:45:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

2020年の五輪招致の最終段階で、福島第一原発の放射性汚染水流出の問題が世界の注目を集め、東

京招致にマイナス要素をもたらした。IOC国際オリンピック委員会の汚染水問題への不安を払拭するため、安倍氏は9月7日の第125回IOC総会において、懸案事項はコントロール可能で、東京にはなんら影響はないと「保証」した。

しかし、安倍氏の発言に疑問を呈する人は少なくない。安倍氏は日本政府が汚染水問題の処理ついて大きな困難に直面していることをまず認める必要があり、徹底的な解決に向けて国際社会に援助を要請すべきだと筆者は考える。

日本の原発問題なぜ遅々として解決を得られないのだろう。問題の根源は福島原発の全体の設計と内部構造の欠陥にあったわけだが、ではこの劣悪な原発は誰によって設計されたのか。実はそれは日本人ではなく米国人だ。

1950年代中頃から、日本は原子力発電事業に着手した。主に海外の技術を輸入し、消化し、改善と技術向上を図った。福島原発はまさに米国の原子力技術に大きく依存して建設されたものだ。1971年から1979年にかけて相次いで竣工した福島の1号機から6号機の原発は、基本的に米ゼネラル・エレクトリックの原子炉の設計を模倣したもので、とりわけ3・11で一番大きな問題を起こした1号機はゼネラル・エレクトリックが60名のエンジニアを派遣して造らせた全工程の「一括請負」であり、誰も実態を把握しない「ブラックボックス」を福島の海岸に置いていったのだ。

福島原発は完成後たびたび事故を起こし、東京電力も問題解決を望まなかったわけではないが、根本的に解決の手段と能力がないのが実情のだ。これによって長期に渡る隠蔽工作とデータ改ざんを余儀なくされ、最終的に事故発生2年後になっても太平洋に汚染水を流さなければいけない状況に追い込まれたのだ。米国の原発専門家の「一括請負」による「ブラックボックス」の基本設計と内部構造の欠陥がもたらした放射能漏れは、どう考えても日本だけで解決策を見出せるような問題ではない。しかし、「根本的責任」を負う米国には放射能漏れの処理までは「一括請負」できなかったようだ。なぜなら1979年3月の米スリーマイルドの原発事故発生後、米国は新たな原発を建設することはなくなり、解決能力と経験を身に着けたヒーローを探すことは容易ではなくなっているからだ。

福島原発の問題解決には、原子炉物理学や工学、炉心冷却、汚水処理、使用済み燃料、放射性汚染水の貯蔵などの専門分野と実践経験を有する専門家を日本に送り処理のサポートをする必要があり、この点、国際社会には多くのプロフェッショナルがいる。福島原発の問題解決は、五輪成功を目指す前に避けては通れない安倍政権の課題である。誠意ある開放的な姿勢と、一刻の猶予もないという緊迫感をもって、世界各国から専門家を招き、多角的に解決方法を模索していかなければならない。

安倍氏は誠意のない「保証」で開催権は勝ち取ったが、もし東京五輪の成功を望むのであれば、やはりまず誠意ある態度で対応し、相応しい人材を確保する必要がある。面子を守るだけのやり方を続ければ、今後最悪の事態を招くことになるだろう。(馮昭奎・中国社会科学院日本所研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月16日

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