東京が2020年夏季五輪の開催都市に決定したことをめぐり、原発事故で避難生活を余儀なくされている福島県の住民らは嬉しい反面、汚染水流出問題の解決の糸口が未だ見つからない中、政府がより一層徹底して取り組むことを求めている。
NHKの8日の報道によると、福島市に住む40代の女性は東京開催が決まったとのニュースを受け、「五輪が開催されることは喜ばしいことである。しかし、招致委員会の『東京は福島県からかなり離れている』といった内容の発言は残念でならない」と漏らした。また、最後のプレゼンで安倍晋三首相が福島第1原発の汚染水漏れについて、「状況はコントロールされている。全く問題ない」と発言したことについて、同女性は「連日、新聞やニュースでは汚染水漏れのことが報道されており、未だに安心できない日が続いている。『コントロール下にある』と政府が宣言したからには、きちんと責任をもって取り組んで欲しい」と話している。
報道によると、町全体が避難区域に指定されている福島県・浪江町の住民もまた、東京五輪開催の決定には喜び半分のようだ。住民らは五輪開催を応援する気持ちを表す一方で、未だ先行き不透明な生活に耐えるなか、原発事故や放射能汚染の問題に誠心誠意取り組んで欲しいとの心の声を訴えた。
一方、60代の男性は、今回の招致活動で汚染水問題が注目されたことに触れ、「7年後の未来がどのような状況になるか見通しがつかない現状では、心の底から素直に喜ぶことはできない」と複雑な心情を吐露し、「安倍首相は世界に対して原発事故の解決に取り組む決意を表明した。国が更に力を入れてしっかりと対応し、オリンピックよりも我々が安定した生活を送れるよう努力して欲しい」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年9月9日