中国駐米大使の崔天凱氏は8日、アジア太平洋地域の情勢および中日関係についてコメントした際に、「日本は第二次世界大戦において、平和を愛し侵略に反対する各国の人民に敗北した。日本は歴史観問題で正確な選択をするべきだ」と語った。
崔氏は当日、米ジョンズホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院の「中国フォーラム」で演説した際に、中国の外交政策と中米関係について説明し、同大学院の教員・学生からの質問に答えた。
日米の外相・防衛相が3日に東京で「2プラス2」の会談を開き、軍事協力の強化で合意に達したがどう思うか、という質問に対して、崔氏は「日米の二国間の安全保障は、二国間の範疇に厳格に抑制するべきであり、他国の利益に影響を及ぼしてはならない」と強調した。
崔氏は、「現在アジア太平洋の前途を巡り、次の二つの観点が存在する。一つ目は、アジア太平洋は世界で最も高い経済発展の将来性を持つ地域であり、ゆえに同地域をチャンスに満ちた大市場に変化させ、各国は発展のため協力し、繁栄の共有を実現すべきという観点だ。二つ目は、アジア太平洋を衝突と危険に満ちた地域とし、同地域を危険な戦場に変えようとする観点だ。この二つの前途はまったく異なるものであり、アジア太平洋諸国の切実な利益に大きな影響を及ぼす。関連諸国の政治家は、正確な選択をするべきだ」と指摘した。
崔氏は日本に対して、誤った歴史観にミスリードされないよう警鐘を鳴らし、「日本の多くの人は、日本が第二次世界大戦で負けたのは米国のみであり、原爆に負けたのだと考えている。ゆえに米国と上手く付き合うだけでよく、その他の国家の関心についてあまり気を配る必要はないと考えている。これは誤った歴史観だ。日本は第二次世界大戦において、平和を愛し侵略に反対する各国の人民に敗北した。これには当然ながら、中国の人民と米国人が含まれる。日本がこのような誤った歴史観のミスリードを受けているならば大問題である。なぜならこれは戦後の国際秩序に、そしてアジア太平洋地域の人々の切実な利益に、そして当然ながら日本人の自身の利益にも関連するからだ。私はこの問題について、日本が歴史観問題で正確な選択をすることを願う」と語った。