日本の最近の一連の措置をまとめると、日本が地域内でより大きな外交の影響力を発揮しようとしており、手始めに「敵の絞り込み」という戦術を実行に移し、中国の安全の脅威と今後の発展の「不確定性」を故意に際立たせようとした。日本の一部の「戦略派」の人間が考えているように、日本はこの戦術を活用すれば大国の外交を効果的に展開し、策を用いてASEAN内の分裂を図り、漁夫の利を得ることができると考えている。
安全戦略についても、日本は戦後続いてきた伝統的な枠組みの突破に取り組んでおり、理念・構造・目標などの複数の面から安倍首相の意向を色濃く反映しようとしている。理念について、日本は同じ海洋国としての位置づけを故意に強調し、自由・市場・繁栄に基づく「価値観外交」を強化した。構造について、安倍首相は安全戦略の保障システムの強化に取り組んでいる。
今回のサミットにおいて、安倍首相はアキノ大統領を含む一連の二国間首脳会談において、日本の安全戦略を詳細に説明し、日本が上述した構造を間もなく構築すること、さらに未来の日本の外交安全総合指針となる「国家安全保障戦略」を重点的に紹介した。日本が他国に海洋安全の脅威を誇張するのは、とどのつまり「猫だまし」に過ぎず、実際には規定の戦略目標に基づき前進し、大国としての地位を全面的に固めることが最終的な狙いだ。この意義から論じれば、フィリピンは一つのコマに過ぎない。(筆者:張勇 中国社会科学院日本研究所中日関係研究センター秘書長、人民日報海外版コメンテーター)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月12日