まず3カ国は協力強化の政治的願望を持っている。3カ国の政府は2012年に発表した共同宣言の中で、戦略的スパンから3カ国の協力を観察・把握し、相互尊重・平等互恵・開放透明を基礎とし、3カ国関係を相互信頼・全面協力・ウィンウィン・共同発展の方向に前進させると表明した。3カ国の二国間関係にどのような問題が存在しようとも、協力が3カ国関係の主流であるべきだ。長期的に見て、いかに中日韓の協力の「多角的」な一面を明瞭に位置づけ、二国間の係争による衝突を回避し、3カ国協力の安定性を高めるべきかが、3カ国が検討すべき課題だ。
次に3カ国間には、堅固な利益の結び付きがある。現在、中国は日韓の最大の貿易相手国であり、日韓は中国の2番目・3番目の貿易相手国である。中日韓自由貿易区の協議が鳴り物入りで進められているが、この協議がまとまれば、北米やEUに次ぐ世界3番目の経済体が誕生し、地域内の経済・貿易・投資・人材の高度な統合を実現し、3カ国の国民が最大の受益者となる。
それから3カ国の協力には、深い民意の基礎がある。3カ国の協力はすでに、伝統的な政治・経済の二つの緯度を大きく上回っている。増加を続ける社会・文化のつながり、日増しに密接になる人の交流が、3カ国の協力を促す「第三極」の力になりつつある。その他の国の「外交官と外交官」の伝統的な外交と比べ、中日韓3カ国の協力は最も活発な人々の参与と体験があり、同時に3カ国の国民に実益をもたらす。これは3カ国の協力の潜在力と活力の根本的な要素である。3カ国の国民の二国間関係に対する物議は、3カ国の協力に対するものではない。自由貿易区の建設、文化交流、民間交流は3カ国の協力の新たな構造を形成する強い流れとなっており、3カ国の国民により良く認知・承認され、より多くの拍手と喝采を浴びるべきだ。これは3カ国の各界、特にメディアの3カ国の協力の成績に対する宣伝と肯定が必要だ。(筆者:岩谷滋雄 中日韓協力事務所事務総長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月15日