吉林省公文書館がこのほどまとめた中国侵略日本軍に関する資料には、日本人が家族に宛てた手紙が多くある。中国侵略時の各種の出来事を記録したものもあり、手紙には、「日本軍が婦女に対して行う強姦や子供の虐殺などの残忍な行為は、見るに耐えないものだ」という記述がある。
吉林省公文書館歴史ファイル管理処の趙玉潔処長によると、日本の将兵と国民が手紙や電報などを通して軍事機密と日本軍の焼殺・略奪の犯罪行為を漏らすのを防ぐため、日本の当局は全ての在中の日本軍およびその軍属、日本籍の庶民、満州人、朝鮮人および在満州の各大使館・領事館の外国人が受け取る手紙と送る手紙をすべて検査した。うち、日本の当局に不利な内容は削除または没収された。さらに、日本軍はこれを記録としてまとめ、軍隊の上層部に報告し、『郵政検閲月報』を作成した。
『郵政検閲月報』に収められた手紙には、日本軍の動向、軍隊の施設、軍事プロジェクトの状況、労働者を用いた軍事プロジェクトなどの内容が含まれ、婦女強姦、児童虐殺などの犯罪行為の記述もある。吉林省公文書館が保管する同類の月報は217巻、複製利用できるものは160巻で、総ページ数は1万7442ページに及ぶ。うち、外国人の手紙をまとめたものは16巻、1937年から1944年までのものである。
趙玉潔氏は、「中国侵略日本軍の視点から日本軍の暴行をとらえたものであり、侵略者の犯罪行為を告発するうえで最も説得力がある証拠だ」と話した。
これらの手紙には、日本軍の残忍な行為は日本人も見るに耐えないものだという記述があり、一部の中国侵略日本軍は戦争を嫌がり、故郷を想い、軍と戦争に反対していたことがわかる。