中国と米国に対応
ATD-Xプロジェクトは今世紀初頭に始まり、三菱重工と防衛省技術研究所が共同開発している。2005年11月に東京で開かれた研究会で、人々はATD-Xの32分の1スケールの模型を目にした。5分の1スケールの模型が翌春、初めて飛行試験を実施した。
国際社会は、ATD-Xの開発は中国を対象とするもので、特に中国のJ-20・J-31ステルス戦闘機の初飛行成功の影響を受けていると判断している。昨年のATD-Xの組み立て式で、三菱重工の広報担当者は、「同機は今後10年に渡り、F-2、F-15の後継機となり、米国から調達するF-35戦闘機を補完する」と語った。
当然ながら武器性能の面で劣勢から脱却するという要素があるが、日本が第5世代戦闘機を開発するのは、米国に備えるためだ。これまでならば、日本は米国から同じ性能の戦闘機を購入できた。F-4からF-15に至るまで、日本の主力戦闘機は米国人が設計したものであり、日本は現在もF-35の購入計画を決定している。しかし日本は、米国のみに依存するつもりはないようだ。米国がF-35により日本を脅迫した場合、日本はATD-Xを対抗手段として使用できる。