◇自らが提案した「思いやり予算」
資料写真:沖縄県内に歩く米軍
在日米軍の経費というと、「思いやり予算」を語らないわけにはいかない。日本国内では「在日米軍が人員を削減しないのは、日本政府の思いやり予算があまりに甘すぎるからだ」と自嘲的な声がよく聞かれる。思いやり予算とは何なのか?
ベトナム戦争後、米軍の予算大幅削減および円高により、日本は自ら義務以外の在日米軍駐留経費を1978年から自主的に負担するようになった。それが「思いやり予算」の始まりだ。日本政府は公の場で、「在日米軍駐留経費を負担する」と公言した。
1978年以降、日本政府は在日米軍基地の施設修繕費用の負担も始めた。施設には兵舎、燃料庫、防音施設、戦闘機用掩体のほか、ゴルフ場の柵、美容・スポーツジム施設、教会なども含まれる。日本政府がいかに周到であるかが伺える。
1987年からは「日米地位協定」を基に、多くの特別協定が相次ぎ結ばれ、「思いやり予算」が特別法という形で固定化し、負担額も年々増加するようになった。
それだけでなく、日本の公有土地は無償で米軍に提供しているが、もしこれを現金に換算すると、2009年、日本政府は米軍自身の負担額を上回る総額5694億円の「特別拠出金」を米軍に提供したことになる。これは日本自身の軍事経費約4100億円をも大きく上回る数字だ。
◇望むのは「特別補助」か、それとも平和か