2010年度「中国の国防」白書(全文)

2010年度「中国の国防」白書(全文)。 中国の国防白書

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発信時間: 2011-09-23 13:44:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

海上安全における対話と協力

中国は積極的に国際的な海上安全における対話と協力に参与し、『国連憲章』『国連海洋法条約』およびその他の公認された国際関係の原則を遵守し、共同安全と共同発展の追求を堅持する。また、沿海国の主権と権益を尊重し、海上の伝統的な安全面における脅威と非伝統的な安全面における脅威に協力して対応することを堅持し、平和のためのさまざまな道すじと手段を模索し、海上の安全を守ることに努めている。

1998年に、中国とアメリカは海上軍事安全協議メカニズムを構築し、海上軍事安全問題に関する話し合いを進めている。これまでに、8度の年度会談を行い、13度の活動グループ会議と2度の専門的な会議が行われ、海上活動における安全の促進、海上での想定外の事件の防止、また、その他の相互信頼醸成措置の建設に対して、積極的な役割を果たしている。2009年8月に、中国とアメリカの海上軍事安全協議メカニズムに関する専門会議が開催され、2010年10月には、中国とアメリカの海上軍事安全協議メカニズムに関する年度会談が開かれた。

2005年10月、中国とベトナムは『中越海軍北部湾(トンキン湾)合同パトロール協議』を締結した。両国の海軍は、北部湾合同パトロール弁公室を設立し、10度の合同パトロールと5度の年度会談を行った。2009年2月には、中国と韓国の海軍・空軍の戦闘部隊間のホットラインが正式に開通した。2008年以来、中国と日本は、海上連絡メカニズムの構築について、多くの活動協議を行った。中国の海軍は、西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)の各種活動に積極的に参加し、アセアン地域フォーラム(ARF)とアジア・太平洋地域安全保障協力理事会(CSCAP)の海上安全に関するシンポジウムに参加している。 ここ2年らい、中国海軍は、延べ10余回20余隻の艦船を派遣し、30以上の国を訪問し、また中国に20以上の国の30余隻の艦船が来訪した。

地域安全協力

アジア・太平洋地域では多層的な、複合型の地域安全協力の枠組みが形成されており、さまざまな安全協力メカニズムがいっそうの発展をとげた。中国はアジア・太平洋地域の安全保障対話と安全保障メカニズムの構築に積極的に参加し、アジア・太平洋地域諸国の政治上の相互信頼と安全協力を強化し、軍事上の相互信頼の確立を推し進め、地域の平和と安定を維持している。

2009年以来、上海協力機構は安全分野の協力において引き続き良好な発展の勢いを保っている。加盟諸国は前後して『反テロリズム条約』『国際情報安全保障協力に関する政府間協定』『犯罪取締まり協力に関する政府間協定』などの文書に調印し、安全保障協力の確固たる法的基盤を打ち固めた。国際大型イベントの安全保障協力メカニズムを完備させ、2010年にモスクワで行われた世界反ファシズム戦争勝利65周年記念式典、上海万博、広州アジア競技大会などがスムーズに行われることを確保した。反テロ合同演習のシステム化した発展、「平和の使命」反テロ合同軍事演習、「ノラーク反テロ-2009」、「サラトフ反テロ-2010」という法律執行・安全保障部門による反テロ演習を行い、地域のテロリズム、分裂主義、極端主義の勢力を大いに震い上がらせた。加盟国の安全保障会議事務局長、検察総長、最高法院(裁判所)院長、国防相、公安相・内務相およびその他の法律執行・安全保障部門の指導者が定期的に会談を行い、司法、防衛、法律執行・安全保障などの分野における協力を深めた。

中国はアセアン地域フォーラム(ARF)、中国・アセアン、アセアン・中日韓の枠組み内での多国間安全保障会議に積極的に参加している。2004年には、中国の提唱により、ARF安全保障政策会議(ASPC)が発足し、同フォーラムの国防当局の参加者のレベルが最も高い対話メカニズムとなっている。2010年5月に、中国は第7回ARF安全保障政策会議で、非伝統的安全保障協力についての研究に取り組み、協力を着実に進めることなどを提案した。2010年10月に、第1回拡大アセアン国防相会議に参加し、地域安全保障面での対話と協力を強化する提案と主張を行った。ここ数年来、中国・アセアンの防衛・安全保障対話、アセアン・中日韓武装部隊の非伝統的安全保障協力フォーラム、アセアン地域の武装部隊による国際災害救援の法律規約整備シンポジウムなどを何度も主催した。

2007年以来、中国はハイレベルの国防当局者をシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に毎年派遣し、中国の国防政策と地域安全保障協力に関する主張を表明している。

対外軍事交流

中国は全方位の対外軍事関係を発展させ、各国の軍隊との交流や協力を着実に進め、相互信頼・互恵の軍事的安全環境を整えるよう努めている。この2年間に、人民解放軍のハイレベル軍事代表団が40余りの国を訪問し、60余りの国の国防相、参謀総長が中国を訪問した。

中国とロシア両国の軍隊は戦略的相互信頼と実務的な協力をたえず深めている。両国軍隊は、ハイレベルの相互訪問を頻繁に行い、『弾道ミサイルと宇宙航空運搬ロケットの打ち上げの相互通報についての協定』に調印し、人材育成、国境警備、大学・学校、防空兵などの交流と協力を展開している。中国とアメリカ両国の軍隊の関係は紆余曲折を経たが、双方は効果的対話と交流を維持してきた。両国軍隊は防衛協議や海上軍事安全協議、軍事に関する保存文書などのメカニズムについての交流を計画的に行った。中国とヨーロッパの軍事関係が継続して前進をとげている。中部ヨーロッパ・東ヨーロッパ諸国との伝統的友好関係を強固にし、西ヨーロッパ諸国との交流を着実に進め、北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)との軍事関係の発展を模索している。

周辺諸国との軍事関係を強化している。朝鮮、韓国の軍隊との友好的往来をくりひろげ、中日防衛交流を重視し、中国とパキスタンの両国軍隊の全面的交流と協力を深め、中国とインドの両国軍隊の関係の発展に力を入れ、アセアン諸国の軍隊との友好的往来に努め、オーストラリア、ニュージーランドなどの国との軍事交流を促している。

アフリカ、西アジア、ラテンアメリカ、南太平洋などの地域の発展途上国との軍事交流を発展させている。軍隊のハイレベルの相互訪問を促進し、中年・青年将校の交流をくりひろげ、協力分野をたえず模索し、拡大している。初めて「平和の箱舟」号病院船を派遣してジブチ、ケニア、タンザニア、セイシェルなどのアフリカの国を訪問させ、人道的医療活動を行った。初めてアフリカの英語圏諸国の軍事学院・学校の院長・校長セミナー、アフリカのフランス語圏諸国の軍病院の院長セミナー、アフリカのポルトガル語圏諸国の中高級将校セミナーを開き、ラテンアメリカ、カリブ、南太平洋の国々のハイレベル将校セミナーを継続的に開いている。

2008年に国防部スポークスマン制度をスタートさせて以来、前後して震災救援、海上護衛、国際人道的救援などをテーマとする記者会見を7度行い、重要な情報をただちに発表している。公共外交の取り組みを強め、何度も国内外のメディアを組織して戦闘部隊を見学、取材させている。国防部のウェイブサイトなどを通じて、国防と軍隊の建設に関する状況を適時提供している。 2009年の中国人民解放軍海軍・空軍成立60周年の際には、「調和のとれた海洋」をテーマとする多国間海軍の活動が行われ、空軍による「平和・発展国際フォーラム」が開催された。

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