2010年度「中国の国防」白書(全文)

2010年度「中国の国防」白書(全文)。 中国の国防白書

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発信時間: 2011-09-23 13:44:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

七、国防科学技術産業

中国は軍民結合、軍需産業を民間経済に融合させた兵器装備科学研究生産システムを確立し、また、完ぺきなものにし、改革と発展を推し進め、科学研究と生産能力を高め、先進的な国防科学技術産業を構築することに努めている。

国防科学技術産業の改革と発展

軍需産業経済の発展パターンを積極的に転換する。構造調整、産業の最適化・グレードアップと省エネ・排出減少を推し進め、世界金融危機に効果的に対応する。軍需産業能力の監督・管理に関する法規・制度システムを確立して健全にし、軍需産業能力と軍需産業のカギとなる設備・施設の監督・管理の質とレベルを高め、軍需産業経済の安定的かつ急速な発展を実現させる。

軍需産業の企業・事業体が民間産業の能力と社会資本を利用して兵器装備の科学研究と生産を展開することを規範化し、指導する。2010年に、国家工業・情報化部、総装備部は『兵器・装備の科学研究・生産許可の管理条例』に基づき、『兵器・装備の科学研究・生産許可の実施方法』を公布、実施し、各種の経済主体が兵器装備の科学研究と生産任務の競争に参加することをいっそう規範化した。現在、兵器装備の科学研究と生産の許可を取得した民間産業企業はすでに許可された部門全体の3分の2を占めている。『国防科学技術産業社会投資分野の指導目録』を印刷、配布し、軍需産業企業の投資主体の多元化を推し進めている。

兵器装備の科学研究と生産能力を高める

先進的な軍需産業の核心的な能力を建設する。国防科学技術産業は第十一次五カ年計画に盛り込まれた建設目標を全面的に完成し、ハイレベルの一連の科学研究プラットホームと新型装備の生産ラインを構築し、研究・開発、設計・エミュレーション、加工・製造、実験・テストなどの手段の近代化の度合いを高め、兵器装備の科学研究と生産任務の完成を保障し、規格・サイズの保障と基礎の強化が互いに促進し合い、協調的に発展することをおおむね実現した。

自主的なイノベーション能力を強化する。軍需産業の企業・事業体、基礎的な科学研究機構と大学を奨励、サポートし、国防科学技術のイノベーション活動を展開させ、研究・開発の応用と基礎的な研究を強化し、新たな原理、新たな技術、新たな製造工程の模索、革新と応用の推進を加速し、先進的な工業技術に力を入れて発展させ、デジタル化、情報化技術の応用に大いに力を入れて推進させ、兵器・装備の科学研究と開発、生産の技術レベルとイノベーション能力を高めている。自主的なイノベーションを奨励する政策と評価制度を確立して健全にし、イノベーションの環境を構築し、イノベーションの人材陣を最適化し、科学技術革新の積極性と自発性を刺激する。また、国防科学技術産業における知的財産権の創造、運用と保護を大いに重視している。2009年には、数十項目の成果が国家技術発明賞と国家科学技術進歩賞を獲得した。

兵器装備の科学研究と生産の基礎的な能力を強化する。国防科学技術の基礎的なプラットホームの建設、運行と管理を強化し、国防科学技術実験室と国防科学技術産業先進技術研究応用センターの、国防の基礎的な研究と応用的な研究の中における重要な役割を発揮させる。品質向上活動の長期的かつ効果的なメカニズムを確立し、品質の監督を強化し、製品品質の全般的レベルが着実に高められている。標準化、計量などの軍需産業技術のインフラ建設に力を入れ、兵器装備の科学研究生産の基礎的な保障能力を高めている。

軍需産業技術を平和的に利用する

国のハイテク産業発展の重点と方向性をめぐり、軍需産業技術の普及・転化を加速させる。カギとなる技術が直面する難関と産業化のボトルネックを突破し、航空・宇宙飛行、電子情報、特殊技術装備、新エネルギーと高効率の動力、省エネ・環境保全などの分野で、戦略的な新興産業と軍需産業の特色あるハイテク技術産業を発展させ、新たな経済の成長スポットを育成し、国の産業振興とハイテク産業構造の調整を促進する。

原子力エネルギー、宇宙空間技術の平和的な利用と開発を重視する。原子力エネルギーを積極的に発展させる産業政策の制定と公布は、原子力発電、原子燃料サイクル、原子技術応用産業の急速な発展を強力に促進した。航空宇宙製品の輸出が積極的な進展をとげた。中国はベネズエラのために通信衛星を開発し、それを成功裏に打ち上げ、関係国と通信衛星分野での協力における取り決めや契約に調印した。

国際交流と協力に参加する

国防科学技術産業は平等、互恵・ウィンウィンの原則に従い、対外協力を行っている。友好国家との防衛技術の協力関係を発展させ、一部の友好国と政府間の軍需産業技術連合委員会のメカニズムを確立する。軍需産業の企業・事業体が国際交流と協力に参加するよう奨励、サポートし、一部の国と共同開発、共同生産、人材を共同で育成する方式で軍需産業技術の協力を展開している。

中国政府は、担っている国際的義務、国際的承諾、国連安保理に関連する制裁・決議を厳格に履行し、国際慣行の準則に基づき、政府、グループ会社と輸出企業の3つのレベルの拡散防止メカニズムを確立して健全にし、慎重な態度で軍用品および関係技術の輸出に対応する。受け入れ国の正当な自衛能力の向上に役立ち、関係地域および世界の平和・安全・安定を損なわず、受け入れ国の内政に干渉しないなどの原則を踏まえて、軍用品の輸出企業に対して特許経営制度を実行し、軍用品の輸出製品に対して許可証管理を実行し、国の拡散防止の政策・法律を厳格に執行する。

中国政府は原子力エネルギー分野での国際協力を重視し、すでに23の国と政府間原子力エネルギーの平和的利用における協力に関する協定を結び、先進的な原子力エネルギー技術を導入し、発展途上国に対してその能力にふさわしい支援を提供している。2009年4月、国際原子力機関(IAEA)と北京で「21世紀の原子力エネルギーに関する閣僚級会合」を成功裏に開催した。

中国は宇宙空間を平和的に利用する原則に基づき、それぞれロシア、フランス、ブラジル、ウクライナ、アメリカ、欧州宇宙機関(ESA)などと宇宙空間技術、宇宙空間応用および宇宙空間科学分野で二国間の協力と交流を展開した。国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)とアジア太平洋宇宙協力機構(APSCO)の関係活動をサポートし、宇宙空間技術を利用し地球の科学研究、防災・減災、遠い宇宙空間への探測、宇宙空間の破片の減少・緩和と防護などにおいての多国間の協力に積極的に参加している。

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