『ワシントンポスト』先日の報道によれば、イランとの緊迫状態やイエメン国内の軍事衝突が続いていることから、米国海軍は、中央司令部の指示により、もともと退役予定だった大型軍艦を特殊部隊シールズ(Navy SEALs)が使用するメガフロート(大型浮体式構造物)軍事基地に改造する準備を進めているという。
米軍が改造を計画している旧軍艦は、前世紀60年代に服役を開始したオースティン級ドック型輸送揚陸艦ポンスで、全長174m、満載排水量1.7万トン、900名の海軍陸戦隊員及び関連装備の搭載が可能だ。
ポンスは、41年に渡る服役期間から見ても、すでに引退すべき老兵と言える。新華社の報道によれば、2011年には地中海に配備され、NATO対リビヤの軍事行動にも参加している。本来ならば、今年3月で「輝かしい引退」を迎えるはずだったが、ここ最近のイラン情勢の複雑性と見通しの悪さから、中央司令部はそれを海上基地に改造し、中東水域に配備することを指示した。
メガフロートは、米海軍の新しい発想などではなく、その必要性については近年論争となっていたところである。2003年イラク戦争勃発時、トルコが北方戦線開設に同意しなかったため、米軍唯一のデジタル師団―第4歩兵師団は海上から南下せざるを得ず、戦機を逃し、最も重要な段階で戦闘に入れなかったことは、米軍の大きなマイナス要素として多くの人に認識されている。
当時すでに、もし米軍にメガフロートがあれば、同盟国や海外軍事基地への依存を最小限に抑え、戦争における主動性と実効性を大きく増強させることができるとの声があった。そして今、ポンスの改造が、それを現実のものにしようとしている。
米国は目下、湾岸地域に3つの空母戦闘群を持っており、そこにもう一つ移動基地が増えたとしてもその軍力を大幅にアップさせるわけではないが、『ワシントンポスト』によれば、このような動きは特殊部隊の秘密行動に役立つという。