中国はワリャーグに対して、長期間かつ緻密な研究を行い、2004年より大連造船所で補修と改造を行った。当時の同空母は悲惨な状況で、多くの設備を新たに取り付ける必要があった。その中には、主動力装置のうち最も重要な部品が含まれたという。空母のケーブル・電線の一部も取り外され、残された設備は表記事項が消されていた。またすべての電子設備、無線電信設備、武器装備が取り外されていた。当時の同空母はまさに抜け殻同然で、使用できるかどうかも分からない古い設備だけが残されていた。中国のエンジニアは同空母の動力装置を改造し、ロシア製に似た中国産電子設備、および対艦ミサイル発射口を取り付けた。またジェット燃料給油車を追加し、格納庫を広くした。新たに搭載された武器装備のほぼすべてが中国産だ(30ミリ高射砲、近距離ミサイル防衛網を含む)。中国の空母のミサイル防衛システムの性能は、ロシア海軍の現役空母「クズネツォフ」が使用中の、もしくはワリャーグに取り付けられていた類似システムの水準には及ばず、密集した近距離防衛網を構築できないが、これは重要なことではない。遼寧艦が永遠に作戦利用されない可能性が非常に高いからだ。
中国軍は初めから、遼寧艦を科学研究訓練空母と称していた。