遼寧艦で着陸可能なヘリコプターについては、当初から明らかな情報が伝わっていたが、艦載戦闘機は複雑な問題だ。中国はかつてロシアからSu-33艦載機を数機購入しようと目論んでいたが、結果的にロシア側に拒まれた。ロシアは中国に対して大量購入を提案したが、その動機は単純だ。ロシアは、数機の輸出のためにSu-33の生産ラインを再稼働させるのは、経済面から見て合理的ではないと判断し、また中国がロシアの技術を盗用しコピーすることを懸念したのだ。中国はその後、国産の艦載戦闘機を自主開発することを決定した。殲−10戦闘機の艦載機版の開発という考えは否決されなかったが、棚上げにされてしまった。シングルエンジンの戦闘機は、実力の高い艦載機に改造できないためだ。中国は最も難易度の低い、摩擦の少ない道を選択した。中国はウクライナからSu-33艦載機の試作機を購入し、研究とコピーを行い、中国独自の研究成果を加えることで変化をつけ、殲−15「飛鯊」を開発した。中国側は、殲−15は国産エンジン「WS-10」を使用したと称した。しかし多くの専門家はこれに疑問を呈しており、その試験機が依然としてロシア製エンジン「AL-31F」を使用していると推測した。また一部の情報によると、殲−15はSu-33より重量が重いため、十分な弾薬を積み空母甲板から離陸するという問題も未解決だという。
ワリャーグを遼寧艦に改造し得たのは、すべて中国独自の手柄であったとはいえない。多くの基礎的な作業が中国により完了されたが、外部からの支援がなければ、中国が改造を完了できたとは限らない。中国はウクライナのニコライエフ市の造船専門家と積極的に提携し、またロシアを訪れ11435型空母の設計者に協力を求めていた。中国は数年前、ロシアから11435型空母を基礎として作成された中型空母の設計プランを入手した。中国は今後これに研究と調整を加え、国産の新型空母を開発する可能性がある。中国の最新の駆逐艦、イージス艦、潜水艦はすべて中露軍事技術提携による成果だが、中国は今後2隻の国産空母(作戦能力を持つ空母)を建造し、この歴史を再演することになる。しかも中国人はより高い志を持っている。噂では、中国は大型の原子力空母の開発を予定しており、艦載機の離陸にはスキージャンプ式ではなくカタパルトを使用するとされている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月23日