概説
中国の五岳の一つである嵩山は、古代より道教、仏教、儒教の聖地として崇められ、各種の建築芸術が集中してきた。歴史が長く、種類も豊富で、各種の文化的意義を持った古代建築群には、碑刻や壁画などさまざまな文化財が残り、唯一無二の文化景観をなしている。また、中国の古い文化伝統や秀でた科学技術、芸術の成果を今に示しており、東洋文明の発祥地としての文明の起源と文化の融合における重要な役割を反映し、その文化は現在にも継続され発展し続けている「嵩山歴史建築群」は、2009年の世界文化遺産候補地として中国から唯一申請されている…

嵩山歴史建築群の価値

嵩山歴史建築群は文化伝統の核心理念や信仰、科学技術、建築芸術の凝縮である。漢代から2000年余りにわたる発展を通じて、周囲に及ぼしてきた影響ははかり知れず、礼制や宗教、科学、教育、文化芸術の面で大きな成果をあげてきた。その歴史的価値は非常に大きい。
建築史上の地位と思想文化上の成果及び価値
嵩山歴史建築群は中国のレンガ建築の発展を示す実物証拠といえる。嵩山には仏塔や墓塔、天文台、廟闕などレンガ造りの建造物が数多く、その歴史も古い。いずれも優れた建築材料を用い、建築技術も非常に高く…
科学技術建築の成果と価値
嵩山歴史建築群の科学技術建築は嵩陽書院、観星台に代表される。観星台は中国に現存する最も古い天文台であり、世界においても最も古い天体観測建築の一つである。観星台の建築群には唐代に建設された「周公測景台」の石標が周公廟や帝尭祠とともにあり…
宗教建築の成果と価値
嵩山歴史建築群の宗教建築は嵩岳寺塔、少林寺建筑群、会善寺に代表される。これらの建造物は中国における各歴史段階の仏教発展の記念碑であるともいえる。例えば、寺院の全体的な構造についていうと…
礼制建築の成果と価値
嵩山歴史建築群の礼制建築は太室闕、少室闕、啓母闕の嵩山三闕と中岳廟に代表される。古代の帝王政権は皇権の正当性を証明するために、儒家思想の基礎の上に立って単純な自然崇拝と祖先崇拝を礼制規範に転化し…