▽引き続き力強い内需
5月には製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月に続いて低下し、工業生産額も減少傾向を示した。中国と世界各国との経済面での関連度が大幅に高まった今日にあって、中国経済の「温度低下」が外界に懸念を引き起こすのは仕方のないことだ。タイ紙「ザ・ネーション」が紹介した世界銀行エコノミストのフレデリック・サンデル氏の分析によると、中国経済のペース鈍化はタイの国内総生産(GDP)の伸びにも不可避的に影響することになるという。世銀の予測によると、今年の中国のGDP成長率は9.3%で、昨年の10.3%を下回り、タイのGDP成長率は今年が3.7%、来年が4.2%で、いずれも昨年の7.8%を大幅に下回るという。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、一連の指標は中国経済が鈍化しつつあることを示しているが、緩やかな鈍化に過ぎないという。前出の劉エコノミストもこうした見方に賛成で、「通貨政策が引き締められている情況の下で、中国経済の温度が低下しなければ、それこそ大問題だ」と話す。劉エコノミストによると、今年5月には中国の投資と消費が急速に増加し、関連データから中国の国内需要が引き続き非常に力強いことがうかがえた。対外貿易をみると、最近は先進経済体がペースダウンしているため、中国も輸出に一定の減速傾向がみられるが、5月の輸出は大幅に上昇して、中国の内需が引き続き世界の経済成長を牽引していることがわかるという。