経費を費やし支線道路を増やす
「ものすごい」勢いで発達した交通機関はサラリーマンの通勤ラッシュを分散したため、ラッシュの時間帯になっても、東京の道路に深刻な渋滞は見られない。「東京の道路が最も込む時間帯は午前11時から午後6時までである。この時間帯は、タクシーや自家用車が多い」と湯川さんは述べる。
「渋滞が最もピークに達したときでも、東京の道路は『ゆっくりだが少しずつ進み』、全く動かなくなる事はない。」この点を確実に保障することは、湯川さんらが取り組まなくてはいけない最大の課題である。「主な対策は、一般道路から始めることだ」と湯川さんは言う。
湯川さんの対策チームが日々考えている課題はもう一つある。それは、「迂回路を探す」ことだ。「渋滞が発生しやすい道路を発見すると、すぐに近くで抜け道を探し、支線を造れるかどうかを考える。」東京には今、渋滞回避のための支線が330以上も存在するそうだ。
日本人の細かさには実に驚かされる。例えば、貨物運送車が道路脇で荷卸しを行っていると渋滞が発生しやすいため、政府は個人経営の駐車場と連携を取り、共同で荷積みや荷卸しが行える場所を貸し出しているそうだ。
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