ロシアのイワノフ副首相の北方領土(ロシア名・南クリル諸島)訪問に対し、日本は抗議をしたが、その効果はほとんどなかった。ロシアが北方領土開発に巨額の追加出資をすると発表したのだ。ロシア下院国際問題委員会のメンバーは、日本はロシア側の島嶼視察に「厳しく抗議」しているが、ロシアの現地に対する経済発展計画を阻止することはできないと語った。「環球時報」が19日、伝えた。
ノーボスチ・ロシア通信社は18日、イワノフ副首相は17日に開かれた政府の会議で、南クリル諸島発展の支援に向け、2015年までのクリル諸島連邦特別目的計画の経費をさらに84億ルーブル追加する必要があると報告。「資金はまず、択捉島の空港の滑走路拡張にあてる予定。同空港は現在、小型機しか離着陸できないが、中型機も利用できるようにする。さらに、深水港湾を整備し、漁船だけでなく、大型客船も停泊できるようにする」と述べた。このほか、今年の改正予算のうち、12億ルーブルを道路整備にあてる方針。
南クリル諸島社会・経済発展計画(2007~15年)にはもともと、交通、インフラ、エネルギー分野に150億ルーブル投資する計画が盛り込まれている。イワノフ副首相によると、現在、個人投資家がこの諸島の発展、特に海洋生物資源及び観光業の開発に大変興味を示しているという。そうなると、今後は個人投資にも期待できそうだ。
国際問題委員会のメンバーは、「空港整備にあてる今回の追加資金は、ロシアにとって重要な戦略的意義があり、ロシアがこの領土を日本に返す意思がまったくないことを意味する」。「われわれは同地域への資金投入をさらに増やすべきだ。この地域がロシアに果たす役割は計り知れない。政府は地元で生活する住民を忘れてはならない。国はいつも関心を寄せている、見離されてはいないと住民に感じてもらう必要がある。そうすることで、この領土は永遠にロシアのものとなる」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月19日