資料写真:北京の地下鉄駅の構内
北京の地下鉄はほんっとに(!)、便利になりましたね、北京オリンピック前後に一気に建設完成ラッシュがありまして北京市内の移動は格段に楽になりました。
先日北京の10号線地下鉄の駅構内で何気なくエスカレーターに乗りましたが、ちょうど今東京首都圏では東北北関東大震災からの節電の影響で、多くの駅でまだエスカレーターが稼動していない所が多いので、「今は北京のほうが便利だなぁ」とふっと思いました。特に日本の梅雨の時期は、ジメッとした暑さがありますから、階段の昇り降りはより一層体力を消耗します。「被災地の方はより一層深刻・・・」といった議論とは別にして、止まっているエスカレーターを横目で見ると、恨めしいほど・・・と思っている方は僕だけではないでしょう。
僕はこれまでずっと、世界の先進国の都市を比較しても東京の地下鉄はとても発達していて便利であり、北京の地下鉄は不便で階段ばかりが多い、と認識していただけに、この「ふっ」とした感覚は、時代の移り変わりといいますか、中国発展の速度といいますか、日本の停滞といいますか・・・、そういった何か転換点を実感した「瞬間」だったのかもしれません。
さて今日のテーマは、同じく北京ではオリンピック前後に建設ラッシュの進んだ、お食事中には話題にしたくない、「蓋」をしたいもの。・・・そう、トイレです。
日本のトイレが世界でも「異常なほどに」快適性を求められていることは有名ですねぇ。ハリウッドの何らかの映画プロモーションで男優や女優が「日本に行ったら?」とか「日本といえば?」という質問に対して「トイレを体験したい」などと回答しているシーンを何度となく見ました(何か、くだらないと思いながらも、尊敬するような感じでしょうかね。)。
僕自身は日本で育っていますので、特に日本のトイレの「快適さ」に注目したことはなかったのですが、やはり社会人になってから世界をみればみるほど確かに、高級ホテルは別にして、一般家庭にまでこれほど「快適なトイレ」がある国は珍しいと思いました。
ファンクションが多い日本の便器
日本のトイレ市場(便器メーカー)は、TOTOとINAX(つい最近いくつかのブランドを統合してLIXILとなっていますが、いまはまだINAXの方がブランド認知は高いですね。)がほとんどのシェアを占めています。これは簡単にその企業の起源と由来を言えば、もともとの社名が「東洋陶器・伊奈製陶」であったように、日本の伝統的な窯業などの盛んであった背景から便器メーカー(衛生陶器と呼ぶそうです。)として産業化、そして江戸時代に世界でも先進的な公衆衛生意識が高かった日本の文化的背景などが考えられるでしょう(人糞が売買されたので、長屋共同便所があったり、初期の下水処理が整備されていた、当時イギリス人のアーネスト・サトウは江戸は清潔であると評したとのこと)。