日本の大企業の合併・統合による業界再編が始まっている。日立製作所と三菱重工業は5日、経営統合へ向け協議を始めることで基本合意しており、2013年春には新会社を設立する計画を進めている。
この国内大手企業2社が経営統合すれば、原子力や火力などの電力プラント、水処理や再生可能エネルギー分野、鉄道車両などの社会インフラ、IT(情報技術)までを網羅する世界有数規模の総合インフラ企業が誕生することになる。公正取引委員会の認可が得られ次第、2013年4月をめどに統合新会社を設立する予定である。新会社の売り上げ規模は12兆円に達すると言われており、製造業ではトヨタ自動車に次ぐ国内第2位の規模となる。
日立製作所と三菱重工業の経営統合は、国内市場の縮小が主な理由とされている。いずれも事業の調整や転換の必要に迫られている。日本では何社もの大企業が同じ事業を営む場合が非常に多い。これは他の先進国ではあまり見られない現象である。電機メーカーは大手だけでも8社、準大手も含めると12社になる。大手重工メーカーは5社、大手自動車メーカーは8社でトラックメーカーも含めると12社になる。
日本では今、大企業の事業再編やM&Aのニュースが相次いでいる。自動車産業での再編劇の幕はすでに切って落とされており、12社の自動車メーカーの中で、トヨタとホンダを除くその他の企業は、株式相互持ち合いが行なわれている。また、大手鉄鋼メーカー・新日本製鐵は住友金属工業との合併が決まっており、パナソニックは三洋電機との白物家電事業の統廃合が決まっている。日立製作所と三菱重工業の事業統合は、数ある事業再編案件の中の典型例の一つに過ぎない。