奥井禮喜氏:3.11被災から1年

奥井禮喜氏:3.11被災から1年。 復旧はまだだ。以前より盛んになる復興はもちろん遠い。しかし、少なくとも非被災者においては、各人が《精神の復興》を追求するようにしよう。苛々焦っても大きな損失が直ちに取り戻せるものではない。被災者が耐えておられることを忘れない。被災は日本人全体の不幸だった。そして本当の不幸とは、不幸に対して決然と耐えられないことではなかろうか…

タグ: 3・11 東日本大震災 復旧 電力 

発信時間: 2012-03-07 13:34:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

東北3県のガレキはざっと2,300万トンあって、3年以内処理目標を立てているが、広域処理が加速しないと進まない。全国自治体からの応援が求められる次第である。

残念ながら東北3県の人口は6.5万人減少したが、被災地の復興計画は概ね今年度中に出揃うところまできた。これからは町作り、コミュニティ作りの段階である。

被災の中から全国でもさまざまな工夫が起こっている。たとえばメーカーがギンザケ養殖を集約して効率化するとか、アサリ養殖に先端技術活用の提案をした。ヘドロにスラグを混入して路床材にする。エネルギー面ではバイオマス活用の官民挙げてのチームが発足した。

四国4県ではメガソーラーの新設に拍車がかかっている。企業・民間団体(特別目的会社)などが合計15,000kWの発電所を建設する。

2011年度末のわが国の風力発電は252.2万kWで、世界2.4億kWの1%強でしかないが、19億kW(陸上2.8億kW・海上19億kW)の可能性があるという。国内の風は乱流が多いとして足踏みしていた面もあるが、それこそ技術開発の大チャンスにもなる。実際、風力発電機本体としての世界シェアは3%に過ぎないが、発電機では35%・軸受では50%のシェアをもつ。ブレードに使う炭素繊維はわが国3社が独占している。

電池開発も、太陽光発電も加速しつつある。石炭火力の効率を上げてCO2を削減する世界的な技術を着々進めて評価の高い企業もある。

目下最大の懸案は電力問題であるが、現実を踏みしめて考えれば、省エネ・節電(昨夏は20%程度節電)をしっかりおこない、再生可能エネルギーを最大限増やして、原発依存度を下げていくことでしかない。賛成・反対の論戦ばかりしていても前には進まないだろう。

復旧はまだだ。以前より盛んになる復興はもちろん遠い。しかし、少なくとも非被災者においては、各人が《精神の復興》を追求するようにしよう。苛々焦っても大きな損失が直ちに取り戻せるものではない。

被災者が耐えておられることを忘れない。被災は日本人全体の不幸だった。そして本当の不幸とは、不幸に対して決然と耐えられないことではなかろうか。耐えつつ、工夫する。それが理性とか知性というものだと確信する。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月7日

奥井禮喜氏のプロフィール

有限会社ライフビジョン代表取締役

経営労働評論家

日本労働ペンクラブ会員

OnLineJournalライフビジョン発行人

週刊RO通信発行人

ライフビジョン学会顧問  ユニオンアカデミー事務局

1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。

1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。

1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。

1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。

2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。

講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。

高齢・障害者雇用支援機構の「エルダー」にコラム連載中。

 

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