インタビューは北京中南海で行われた |
周 唐首席委員、ありがとうございました。お話では今日の中日関係を明確に評価しているだけでなく、いくつかの数字から、中国外交史上において、日本のように、このような短期間にこのような大きな変化を生み出した国はめったにないということを理解させていただきました。それでは、唐首席委員におうかがいしますが、中日関係はこの四十年にわたって築いた基礎の上、いかに発展し続けるのでしょうか?
唐 常々考えていることですが、中日関係が今日まで歩んできたのは非常に困難で、暑さ寒さもあり、風雨もあり、曲折を経てきたものの、しっかりとその試練を受け止めています。われわれも両国関係の発展の経験と教訓を真摯に回顧し、総括し、その基礎の上に、いっそう成熟した精神と理性的態度で、両国関係と当面する問題を認識し、それに対応しなければなりません。
こうした経験や教訓はまず、中日間の「四つの政治文書」(一九七二年の「中日共同声明」、一九七八年の「中日平和友好条約」、一九九八年の「中日共同宣言」、二〇〇八年の「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する中日共同声明」)の中で体現されていると私は思います。こうした文書の精神に従って事を運べば、中日関係は順調に発展するに違いありません。具体的には以下、いくつかの面を含んでいると考えます。
第一に終始、戦略的に、長い目で両国関係を処理しなければならないということです。両国の指導者は、この面においてお手本をわれわれのために打ち建てました。毛沢東、周恩来、鄧小平ら先輩指導者と当時の日本の指導者はいっしょに、内外の情勢の変化と発展に適応し、両国人民の共同の願いと長期的な利益から出発し、さまざまな困難を克服し、戦略的な決断を下しました。こうしてはじめて中日両国は国交正常化を実現し、『平和友好条約』を締結できたのです。江沢民氏が総書記であったときには、中日関係を発展させるには「高みに登って遠くを見る」必要があるといつも語っていました。胡錦濤総書記が提起した、中日両国は「平和共存、代々友好、互恵協力、共同発展」を実現しなければならないという「十六字方針」も、先に述べた精神を体現しています。
第二に、「歴史を鑑とし、未来に目を向ける」ことを堅持し、正確に歴史問題に対応し、処理するという前提の下で、両国関係を発展させなければならないということです。四十年来、中日関係は何回も歴史問題によって厳しい局面に直面してきました。その中から得た教訓は、極めて深刻であるとしかいえず、いつでもしっかり心に刻み、真面目に教訓を汲み取り、この問題で再び両国関係の大局に衝撃を与えることがないよう努力しなければならない、ということです。
第三に、その他の重要で敏感な問題を適切に処理しなければならないということです。中日両国間には、感情的なもめごとがあった歴史があり、現実的な利害の衝突もあり、そのいくつかはさらに非常に敏感な問題であり、両国関係にとってかなりの「殺傷力」があります。我々は、こうした問題を処理するときには、終始、両国関係の大局を重視し、双方が達成した共通認識と了解に基づいて、とくに中日間の「四つの政治文書」の原則と精神に基づいて、交渉と対話、協議を通じ、真摯に、適切に処理することを堅持しなければなりません。
第四に、互恵協力の大方針を堅持しなければならないということです。中日関係の四十年の発展の道のりは、両国の共同の利益が不断に拡大し、利益の紐帯が絶えず深化してきた過程であり、これが両国関係の長期的発展のためのしっかりした経済的基礎を固めました。双方はなおいっそう励み、引き続き協力と「ウィン・ウィン」の道を歩み、共同の利益という「パイ」をさらに大きくしなければならないのです。
第五に、終始、中日友好を堅持しなければならないということです。中日友好は大勢の赴く所、人心の向かう所であり、妨げることのできない歴史の流れです。たとえ社会の思潮や価値観が多元化している今日でも、友好は依然として中日関係の変わらぬテーマでなければなりません。われわれは国交正常化の原点に立ち返り、中日友好の持つ深い内実をしっかりと理解し、中日友好の旗幟を高く掲げ続けなければなりません。