自由貿易区構築は世界各地で複雑かつ困難な過程を経ている。EUは市場統一に17年間を費やし、紆余曲折を経た。中日韓FTAも同様、一連の具体的な課題が存在する。三国はそれぞれ敏感な産業を抱えているが、その開放化が待たれる。中国の農産物輸出は、日韓の市場に一定の影響を与える可能性がある。日韓の製鉄、石油化工、自動車などの技術密集型製造業の対中国輸出もまた、中国の関連産業の発展に影響を及ぼすだろう。三国は意見の相違を適切に処理し、感心の高い敏感な産業について相互に配慮するべきだ。政治の相互信頼関係は、自由貿易区構築にとって特に重要である。歴史・現実問題、国内・国際問題が絡み合う中、FTA交渉を正確な方向に導く上で、中日韓の知恵と卓識が問われる。
中国の目標は、閉鎖的な貿易区を構築し、その「指導者」としての役割を演じることではない。中国は開放的かつ活力ある自由貿易区の構築、東アジアひいては世界経済の一体化の推進を望んでいる。
中日韓のヒト・モノ・資本の自由移動を実現し、三国の産業調整と経済発展を全面的に促し、消費者の利益を高めることにより、東アジアの世界経済における影響力が増すはずだ。長期的に見ると、中日韓FTAの見通しは明るく、三国および国民に実質的な利益をもたらすだろう。
「人民網日本語版」2012年5月12日