日本のレアアース(希土類)供給減多様化戦略が果実を結びつつある。日本とインドは先月30日、レアアースの対日輸出拡大で合意、翌日にはカザフスタンともレアアースの共同開発に合意し、その前に決まったベトナムやオーストラリアをあわせ、日本は来年から50%のレアアースを中国以外の国から供給することになる。
◇中央アジアと南アジアに相次ぎ新規発注
4月30日にデリーを訪れた枝野幸男経済産業相はインド政府とレアアースの協力協議を結んだ。インド原子力庁の子会社インディアンレアアースと日本の豊田通商が協力し、レアアース工場をインド東部のオリッサ州で6月中に完成させ、日本の年間消費量(2万7000トン)の14%にあたる約4000トンのレアアースを毎年日本に輸出する見通し。
枝野経済産業相は今月1日にカザフスタンの首都アスタナに飛び、イセケシェフ 産業・新技術相とレアアースの開発で合意し、関連協議を結んだ。日本のメディアによると、これでジスプロシウムの輸入量は60トンに増え、カザフスタンのレアアース生産量は年間1500トンに増えるという。
豊田通商、双日、ベトナムの地元企業のレアアースの開発協力も佳境に入ってきている。日本とベトナムが現在建設中の工場は来年2月に稼動し、年間1000トンの生産が見込まれている。また、双日はオーストラリアの鉱山会社ライナスとも協力し、2013年から日本に年間9000トンのレアアースを輸出する計画だ。
◇輸入ルートを急きょ開拓