本年2012年は中日国交正常化40周年の佳節にあたる。現在、中国で活躍する日本企業の一つ、今年3月、中国の有力経済誌・週刊第一財経(CBN Weekly)が主催する「CBN革新50人 CSR革新者賞」に選出された徐正剛総経理を擁する富士ゼロックス株式会社の中国分社である富士施乐(中国)有限公司を訪ね、激動する中国市場への取り組みについてお聞きした。
チャイナネット(以下、チャイナ):本年は中日国交正常化40周年です。御社は、中国ビジネスの先駆者であるだけでなく、この4月にも中国ニーズにダイレクトに応える開発部門の設置、拡大をされるなど、次々と中国市場へのコマを進め、事業を拡大していらっしゃいます。
この間、中日間ではさまざまな局面がありましたが、どのような感想をお持ちでしょうか?
徐総経理(以下、徐):そうですね。私は名前を見てもらえばわかるように、私のルーツは中国ですので、一般の日本人の方とは多少感覚が違うかもしれません。
1999年にシンガポールを皮切りに、香港、上海、香港、上海とアジア圏を中心にすでに11年間、海外を担当しています。日本と中国は最も世界で重要な2国間関係だと思っているんです。日本のほとんどの文化は中国から影響を受けているものが多いでしょう。数千年の歴史がありますね。その間にはいろんな場面がありましたから、現在だけを見て語るのはおかしいと思っています。
歴史や政治体制を含め、あまりにも中国を知らないで語る日本人が多くて時々がっかりするんですよ。反対に同じことが中国の方にも言えると思います。経済でいえば、依存的な関係になっているし、アジアの安定はきちんとこの2国がイニシアチブをとるべきだと思っています。
この国(中国)は非常に複雑ですから、旅行者的な見方をすると大変な間違いをします。全人口の5%の富裕層といっても、8000万人です。イギリスの人口4000万人の2倍ですね。非常にユニークな国ですから、さまざまな局面から見る必要があります。世界の工場としての中国から日本は大きな恩恵を受けてきたし、これからは最も近い日本の26倍の広さを持つ大市場でしょう。中国にとっても、日本の技術、特に環境関係はまだまだ魅力的です。市場としての日本もある。観光立国を目指す日本にとっては大切なお客様ですよね。相互に恩恵を受けられる2カ国にしていかなくちゃいけないと思います。
また、GDP2位の中国に世界経済は依存していますし、これからのことを考えると、近く中国とアメリカが世界で極となっていくことは確かでしょう。その点から言えば、中国の安定した発展は世界にとっては非常に重要なことです。