チャイナ:3年、5年後を見据えた先手を打っていらっしゃるわけですね。中国での今後の事業展開について伺います。注目している中国の地方、事業分野がありましたら、教えてください。特に中国中西部へご興味、上昇し続ける中国の人件費への対策はどのようにお考えでしょうか?
徐;重点は2つあります。環境とカラーです。環境については先ほど説明させていただきましたが、弊社では「カラーはパワーである」とお話させていただいています。カラーの資料は、その会社の生産性、売上に直結しています。訴求がぜんぜん違いますから。また業界によって使い方が全く異なりますので、直販スタッフが細やかに対応しています。
チャイナ:きめ細やかな対応をされているんですね。日本の企業の中には、アジア、なかんずく中国市場に活路を見出そうとしているところが多いといいますが、撤退する企業も多いのが現状です。日本企業が中国ビジネスをする上で気をつけるべきことはなんでしょうか?
徐:弊社も失敗を繰り返して前進しているんですよ。契約や債権の管理も中国では気をつけなければならない点です。
また、スピード感は日本とは全く違う。常に意思決定を迫られます。10倍くらい違います。
法律も運用もどんどん変わります。先ほども話しましたが、観光客のような気持ちで中国を見ていたのでは、本質を見失います。
それと人をどうやって育てるか。いい人材を採用し、育てるか。今、自分の時間の3割はそれに費やしています。いい人に定着してもらうこと。人材を確保し、育成することですね。最終的には現地のソリッドな僕に代わるマネージメントチームを作ることが目標です。
チャイナ:スピード感と人材育成ですね。
徐;どこでも重要なことですが、特に中国は若くて優秀な人が多い。そういう人にどんどんチャンスを与えて仕事を通して育って行って欲しいと思っています。
工場でも先手を打ちながら、最低賃金を上げるようにしています。中国では年2ケタで人件費が上がっています。能力に見合った給与を担保し、生産性を上げる。「ペイ バイ パフォーマンス」これが基本ではないかと思います。弊社では皆さん、納得してくださっていると思いますよ。(笑)
チャイナ:貴重なお時間を長い時間、ありがとうございました。
細やかな配慮、的確な数字、情熱がほとばしる目線。そして率直に弱点も、失敗も、語りながら、気がつくと富士ゼロックスという会社と総経理の人柄に魅了されている。
広大な中国市場にサステナビリティを浸透させながら、今後、富士ゼロックスがどのような展開を見せるか、期待が高まるインタビューとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月18日