チャイナ:すばらしい活動ですね。徐総経理は、社長秘書を7年間されていた時期があったと伺っております。小林陽太郎氏は財界では中日友好の筆頭に位置する方で西安交通大学の名誉博士ですが、印象的なエピソードがあれば教えてください。
徐:小林が新日中友好21世紀委員会の座長になったときには、僕はすでに秘書を離れていましたのですけどね。彼がよく言っていたのは「信頼」です。毎年、彼から「相互信頼」という書をもらうんです。あの頃20年前、日本は「脱亜入欧」の時代で欧米に目が向いていたけれど、彼は「入亜脱欧」でなければダメだとよくいっていました。
ビジネスマンはビジネスだけではダメだ、専門の知識だけしかないのはいけない。きちんと教養、リベラルアーツのある人間にならなければならないと厳しく教えてもらいました。その点が当時の中国側の座長であった鄭必堅さんとは響きあったようでした。
当時30代だった私が7年間、小林に教えてもらったことが僕の支柱になっています。
小林からは富士ゼロックスを強い会社(よい製品を作る、きちっと高配当を出せる)、優しい会社(雇用創出、社員福祉)、おもしろい会社(達成意欲がある、自己実現できる、自分の子どもも入れたい会社)にするという哲学を叩き込まれました。