本年2012年は中日国交正常化40周年の佳節にあたる。創業者・稲盛和夫氏の著書「生き方」の中国語版が50万部を超えるベストセラーになるなど、中国との関係が深い1959年創業のグループ従業員数6万6000人のハイテク企業・京セラ株式会社。中国法人「京瓷[天津]商貿有限公司の後藤雄次 総経理、粕山裕之総務人事部長を訪問した。
中国網:本年は中日国交正常化40周年です。御社は1995年に広東省東莞市に東莞石龍京セラ光学有限公司、上海市に上海京セラ電子有限公司を相次いで設立され、20年近くにわたって中国でビジネスを展開されてきました。この間、中日間ではさまざまな局面がありましたが、どのような感想をお持ちでしょうか?
後藤総経理(以下、後藤):京セラは1969年に米国法人を設立してから、世界各地で活動を広げてきました。私自身も中国に来る前には東南アジアで7年間仕事をしてきましたが、各国それぞれのお国の事情があります。京セラには、創業者稲盛が仕事について、また人生について自問自答する中から生まれてきた、京セラフィロソフィと呼ばれる経営哲学があります。この世界普遍の考え方をベースに各国の文化・習慣に合わせた現地主義をそれぞれの国で展開してきています。したがって、中国でも同じスタンスで事業に取り組んでまいりました。
中国網:御社はこれまで、中国で日本語を学ぶ学生を対象とした論文コンテスト、少年訪日団派遣、中国西部地域への奨学金など多彩な活動を展開されてきました。今年は特別な活動の企画がありますか?
後藤:もちろん40周年という佳節であるという意識はありますが、これまでどおり淡々と地道に活動を続けていく予定です。中国西部地域への奨学金提供は昨年10周年を迎えました。のべ2721名(2011年3月末現在)の学生に学習の機会を与えることができました。
中国網:すばらしい活動ですね。中国での活動といえば、御社の創業者でいらっしゃる稲盛和夫氏の著書「生き方」(中国名;活法)は中国で50万部を越すベストセラーになり、中国の経営者からも尊敬を集めていますね。
後藤:多くの著名な企業家をはじめ、中小の企業経営者の方々が稲盛の考え方(京セラフィロソフィ)に共鳴していただいています。稲盛の思想を学ぶ「盛和塾」は、中国でも北京、大連、青島、無錫、広州などで開催され、昨年も、大連、広州で2,000名以上が参加して経営哲学を学んでいます。