資料写真:韓国の反日デモ
実際のところ、朝鮮半島の南北分裂状態や東アジア諸国との貿易関係を背景に、韓国の日本に対する態度は軟化してきている。なんといっても、日韓外交が密接な関係を築いていること、米国を介在する形での安全保障があること、韓国の国会議員が構成する「韓日議員連盟」は議会最高レベルの友好組織であることが挙げられる。また、日韓間の経済および文化交流は活発に行なわれており、一時の感情に任せて日韓関係を悪化させようとはどちらも望んでいないことも挙げられる。現在、韓国にとって、日本は中国に次ぐ第2位の貿易相手国であるだけでなく、最大の技術輸入先であり、観光客の数も最大である。韓流文化が最もブームになっているのも日本である。
金昌植教授は「日本の経済発展モデルや文化の歩みは、韓国人にとって、常に魅力として移っています。だが、日本に不信感を抱いているとは想像もつかないほどです」と言う。
◇日本は植民支配に対する謝罪を
早稲田大学のアジア・太平洋研究科の国際問題研究員は、「日本の歴史観や冷戦により、戦争謝罪や歴史認識における課題を日本に残していることは否めない。これが朝鮮半島植民地支配の過去をめぐって、日韓両国の政治的和解を阻む原因となっている」と述べている。
法政大学で東洋史を研究する田原賢二氏は「歴史認識について日韓両国がよく話し合い、日本が戦争謝罪することで、明白な歴史観や矛盾のない態度を示せば、日韓間に存在する相互不信の多くが消失するはずである」と述べている。また、「だが、歴史認識は、国益や国同士の係争に関わるものであり、そう簡単に事が運ぶとは思えない」と指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月12日