加藤嘉一さんによれば、日本の「国連常務理事国への加入」や「教科書問題」などについて、中国メディアが取り上げる際、その捉え方はいくらか偏っていて、日本に対し感情的になりがちである。
逆もそうである。北京で反日デモが起こった際の日本メディアの中国に対する報道も同じように感情的だった。「あのような報道からは、整然とした日本の社会や勤勉な日本人を感じることはできない。日本の若者達も親切さと友人に心から接する情熱を持った中国人や、生き生きとした中国市場を知ることができない。」
だからこそ加藤嘉一さんは『岩松看日本(岩松が日本を観察)』というシリーズ番組を「日本の報道スタイルにもっとも影響を及ぼすことが可能な番組」として高く評価し、「理性的、多元的で、且つ責任感がある」と賞賛した。
「メディアにより理性的で多元的な報道のよる交流こそ、日中関係を前に進める最大の基礎となり、日本人も中国人も認識すべき本質である」と、中国で「政治的な雰囲気」を強く感じ取った加藤嘉一さんは話している。
矢野浩二さんの経験からは、中日両国の一部の国民の互いに対する気まずい感情をうかがうことができる。「钓鱼島事件」が発生した直後、矢野さんはネットで奥さんが子供を産んだことを発表した。中国からの90%の書き込みがお祝いの気持ちを伝えていた。あるネットユーザは「あなたが日本人と中国人全ての理解を得られるよう願っている」と書き込んだ。