中国企業のグローバル化を促進
中国、日本、韓国の貿易の壁がなくなることで、経済投資もより一層進展し、中国企業のグローバル化の促進にも繋がる。長江商学院グローバル化研究センターの李夢軍研究員は、2012年に同研究センターが発表した最新の「日本市場における中国企業の買収・合併に関する報告書」について説明し、「日本市場は全体的に見て、包容性が不十分であり、排他的である。現在、日本で買収・合併に成功している中国企業は多くない。中日韓の自由貿易協定(FTA)が正式に締結された場合、中国企業の日本市場への進出、そしてグローバル化の促進に有利に働くことが期待できる」との見方を示した。
公平性が最も重要 対等な開放を
前出の黄建忠教授は、また中日韓FTAの構築は、かならず段階的に進められ、対称的な開発の原則に基づいて開放されなければならず、不公平性は避けるべきであると指摘する。特に、日韓両国は自国市場の貿易保護主義を打ち破らずに、一方的に中国にだけ市場の開放を迫ることはできない。まず自身がすべき義務を遂行することが必要だと分析する。長期にわたりサービス貿易分野を研究してきた黄教授は、また、日韓両国はアウトソーシング分野で多くの成功事例を持っている。サービス業の投資、技術や管理などで多くの参考にすべき点がある。製造業においては、日韓の全体的な技術レベルは欧米と比べ約5-15年遅れているが、両国の関係は技術産業化と商業化では明らかな強みを持っており、中国が参考にする価値があるものだ。