揺れる日本の政局が交渉に影響
「FTA交渉の進展を楽観視しすぎてはいけない。今はまだ、三カ国が交渉開始に合意しただけで、2013年年始に予定通り交渉がスタートするかどうか、また、FTAが正式に締結されるまでには、まだ長い道のりを地道に進まなくていけない。加えて、それは決して平坦ではない茨の道となるだろう」と張季風教授は言う。特に、日本は衆議院の総選挙を控えており、混乱する日本の政局が中日韓FTA交渉に未知数の影響を及ぼすと見られ、石原慎太郎氏に代表される右翼勢力を十分に警戒しなくてはいけない。石原氏が自身の政治生命の最後の最後に奮起し、中日関係に波風を立てる可能性があることを考慮する必要がある。
しかし、外部情勢の客観的要因にしても、内部の発展と言う主観的な期待にしても、中日韓FTAの交渉開始が、歴史的に見て、大きな前進であることは間違いない。商務部国際貿易・経済協力研究院の李光輝副院長が言うように、「困難や障害は多いが、中日韓FTAの締結は将来を見据えた戦略的政策であり、中国、日本、韓国三カ国の経済界が共に期待を寄せていることである。我々はより一層積極的な態度で自由貿易区の設立に向けた交渉を推進し、経済協力によって、三カ国間の政治面での溝を修復し、経済協力によって東南アジアのカントリーリスクを解消していく必要がある」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月23日