◇政冷経冷
安倍氏が直面する最大の課題は低迷する経済だ。近年、日本の政権が毎年交代している根本的な理由は日本の景気が回復しないことになる。安倍氏が今回この課題を克服できれば、歴代首相の中でその名を残すに違いない。
安倍氏はやる気満々だが、選択肢は多くない。内需をみると、高齢化社会に入った日本で消費の見通しは楽観視できない。消費税増税を強行した野田内閣の失脚をみれば、内需けん引という選択肢に大きな希望を抱けない。外需をみると、欧米経済の衰退、「島購入」等の影響で日本の輸出は縮小し、貿易赤字が拡大。消費・投資・輸出の3本柱の失速で、日本経済が成長の原動力を見出すのは難しい状況だ。
デフレ脱却・円高阻止が最優先の政策課題となっている。安倍氏は、大胆な金融緩和政策、財政税収措置、大規模な経済刺激策を通じて、名目経済成長率3%の戦略目標を実現する方針だ。しかし「紙幣印刷」にどれだけの効果があるか?との疑問の声もある。
中韓ロなど周辺国の経済は急成長している。それに便乗すれば、日本経済も再生できると専門家は指摘する。理屈は簡単だ。中国を例にとると、日本にとって中国は最大の貿易相手国だ。2011年の中日貿易総額は3400億ドル、日本の貿易総額の20.6%に達した。さらに重要なのは、欧米市場の需要が著しく縮小する中で、日本の対中輸出は460億ドルの黒字を実現したことだ。しかし政治の冷え込みが経済にまで及び、日本は大打撃を受けた。
経済低迷、外交関係の緊迫・・・安倍氏はこれらの難題を打開できるか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月27日