昨年9月10日、民主党の野田政権は中国側の反発を顧みず、中国固有の領土である釣魚島とそれに付属する南小島と北小島の「購入」を発表し、いわゆる「国有化」を実施した。この間違ったやり方により、中日関係は現在も依然として厳しい困難に直面している。紛争を起こした側として、日本政府はすべての責任を負わなければならない。
日本政府の「島の購入」の実質は、国内法を利用し釣魚島の「所有権」を変化・固定させようとするものだ。これはマフィアのマネーロンダリングのように、甲午戦争(日本名・日清戦争)の中で釣魚島を盗み取ったという侵略の事実を「洗い落とそう」とするものだ。日本政府は多くの日本の元高官の証言を顧みず、両国の前の世代の指導者が一致した「係争を棚上げにする」という共通認識をあくまでも否定した。
自民党代表の安倍晋三氏は昨年末に首相に就任すると、日本側が引き起こした釣魚島問題の責任について反省しなかったばかりか、むしろ前にも増して強硬で挑発的な手法をとり、中日の領土問題を引き起こし、これを右傾化のアクセル、軍拡・改憲の重要な策とした。
今年より、安倍政権は領土問題を刺激すると同時に、大々的に軍拡に取り組んでいる(水陸両方向からの「離島奪還」部隊の創設の提案、無人機グローバルホークの調達、第二飛行警戒監視隊の新設の計画など)。日本の今年の国防予算は11年ぶりに増加し、来年はこの22年間で最大の増加率に達すると見られる。8月15日の前日、日本最大の戦艦「いずも」が進水した。ヘリ搭載護衛艦と呼ばれてはいるが、実際には軽空母であり、挑発的にも日本が当時中国を侵略した際の旗艦の艦名を踏襲した。
同時に安倍政権は公然と侵略の歴史を否定し、右翼的思想の悪性の膨張を放任した。春の国会において、安倍首相は「侵略に定義はない」という持論を展開し、その後さらに慰安婦問題に関する河野談話を改正すると妄言を吐いた。8月15日の敗戦記念日のスピーチの中で、安倍首相は日本の戦争責任と「不戦の誓い」について一言も触れず、歴代首相が20年弱に渡り維持してきた政治伝統を打破した。
より悪質なことに、安倍政権は釣魚島問題を、平和憲法の改正を推進する口実としている。平和憲法は日本が国防軍を保有し、戦争を仕掛けることを禁じている。これは戦後の国際秩序を受け入れるよう日本に強制し、軍国主義の復活を阻止する最後のシャッターだ。このシャッターがひとたび開かれれば、戦争の罪を認めようとしない日本が檻から解き放たれ、アジアの軍拡競争の引き金を引くことを意味する。その危険かつ深刻な結果は、言わずと知れたことである。
過去一年間の事態の進展により、日本が釣魚島問題を引き起こしたのは、第二次世界大戦の勝利の成果を否定し、戦後の国際秩序を脅かそうとする侵略史観を持っているためであることが分かる。係争そのものも、日本の軍国主義思想の復活の重要な表現形式となった。日本では、侵略の罪を認める思想の開けた政治家・学者は、往々にして中日の釣魚島問題に存在する係争を認めている。一方で侵略の罪を否定する者は、ひとつの例外もなく領土問題の存在を否定している。
釣魚島の「国有化」から一年 日本の野望と過ちを振り返る(二)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年9月10日