日本の東京電力の幹部は13日、福島第一原子力発電所の汚染水漏れについて、「コントロールできていない」と認めた。一方、安倍晋三首相は、数日前に行った2020年東京五輪招致のプレゼンテーションで、「コントロールされている」と述べていた。「新華ネット」が伝えた。
東電の顧問を務める米原子力規制委員会の元幹部は、「福島原発の事故処理は米スリーマイル島原発事故よりもずっと複雑である。日本側は大量の汚染水を海に放出する前に国民の信頼を取り戻し、放出する汚染水は放射線量が少なく環境に危害を及ぼさないと証明できなければいけない」と話した。
野党の民主党の一部議員は13日、福島原発の汚染水漏れ問題の対処方法を理解してもらうため、政府役員と東電の責任者を集めて福島県郡山市で会合を開いた。
8月にタンクから汚染水約300トンが漏れ、排水溝を通じて太平洋に流出した可能性があることについて、東電の山下和彦フェローは、「東電は対策を採っているが想定を超える状況が起きている。申し訳ない」と述べた。
福島県のある議員からの「安倍首相のコントロールされているという言葉に同意するか」という問いに対し、山下氏は「今の状態はコントロールできていないと考えている」と答えた。
米原子力規制委員会の元幹部レイク・バレット氏は、東電は状況が可能になれば地下水をくみ上げる作業を始め、汚染処理し、放射性物質を取り除いた汚染水とともに海に放出すべきとの考えを示した。しかし、まずは国民を納得させ、すでに放出された汚染水の環境への影響を最低に抑える必要があるという。
東電は分流するための管の建設を検討しているが、現地の漁業団体など市民からの反対により計画は遅れている。
バレット氏は13日の記者会見で、処理作業が計画通り進めば、原発周辺の海域でとれた魚を買って孫に食べさせると話した。しかし、市民を安心させる能力を失った東電が「この水は安全だ。信じてほしい」と言うだけでは不十分である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年9月16日