会場で講演を行う張宇燕氏(11月27日撮影)
張宇燕所長は会場で、津上氏の『決定』についての理解は非常に独特な角度からのものであり、自分も多くの啓発を受けたと高く評価した。また、「今回の経済体制の改革は全体を引っ張る役割がある。これに関しては3つのキーワードがある。一つ目は市場が決定的な役割を果たすこと。二つ目は所有制改革についてで、積極的に混合所有制経済を発展させ、非公有制経済の財産権を同様に犯してはならない。三つ目は簡政放権についてで、政府と市場の関係を適切に取り扱うべきである。中国では長い間、『法无规定不可为』(法律で規定しなければできない)という状態だったが、今は『法无禁止皆可为』(法律で禁止されなければすべてできる)状態に変わった」と述べた。
上海自由貿易試験区の建設について、張所長は、「上海自由貿易試験区」は実は「中国上海自由貿易試験区ネットワーク」であると強調し、「まず上海で実践し、成功の経験を全国に広め、中国経済の未来の発展方向に大きく貢献するといえる。外資企業だけでなく、国内企業も開放され、上海自由貿易試験区で会社を登録、設立できる。今年のマイナスリストは長いかもしれないが、共通認識に達し、抵抗力を減らし、来年、再来年のマイナスリストは短くなるに違いない」と語った。
日本経済新聞社の編集委員の滝田洋一氏は、「日本が今一番関心を持っていることは中国の金融システムである。6月から中国でシャドーバンキングに関する問題が頻発し、透明性や確定性の不足などの悪い点がある。中国はどのような措置を講じ、経済を安定させていくのか」と質問した。中国人民銀行・研究局国際処の莫万貴処長は、「シャドーバンキングについて、国際的に統一された定義はないが、中国に関して言えば、資金の流動性と機能転換を備えて金融仲介業務を担当する金融機関であり、確かに管理や監督が不足している。一方、正規の金融機関に対する補充の役割というプラスの面もある。不透明な問題は確かに存在するが、中国のシャドーバンキングの規模は大きくなく、地域的なリスクは少ない。昨年、銀監会は大量の対策を導入し、銀行は革新的に金融商品の業務の開拓をリードし、関連情報の公開、制度の作成と整備、金融商品の購入者の利益やリスクに対する理解を深める活動を実施した。市場を規範的に発展させるため、中国経済の関係者みんなが取り組み、透明性はますます高まった。シャドーバンキングが与えるリスクを過剰に心配する必要はない」と答えた。
そのほか、中日両国の経済専門家はTPP、GDPの成長状況などをめぐって意見を交換した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月28日