メルケル独首相が9日に東京都内で行った講演は、ドイツで肯定的に評価された。独TVチャンネル「N24」は、メルケル首相が日本に「ドイツのやり方」を示したと報じた。独国営ラジオ局DLFは、この講演は「シグナルのような重要性」を持つと指摘した。独フランクフルト・アルゲマイネ紙は、ドイツの首相は日本が戦後の歴史で十分な謝意を示してこなかったことを直接批判せず、ドイツのやり方を説明するに留まったと伝えた。
日本政府を直接批判することはなかったが、多くのメディアは「メルケル首相が日本政府を批判」という意味合いを見出しに込めた。英ヘラルド・スコットランド紙の見出しは「メルケル首相、日本に戦争の歴史と向き合うよう促す」、英デイリー・テレグラフ紙の見出しは「メルケル首相、日本はドイツのように恥ずべき第二次大戦の歴史と向き合うべきと発言」。英ガーディアン紙は9日、「メルケル首相が日本人に、戦争について避けることはできないと促す」と題した記事の中で、「メルケル首相の東京での講演は、安倍首相が終戦70周年に談話を発表し、これまでの戦争への謝罪に関する表現を薄れさせ、隣国との緊張関係をさらに激化させる可能性があるという報道に向けられていた。20年前に村山談話を発表した村山富市元首相はこのほどブルームバーグの取材に応じた際に、安倍首相に同談話の精神を引き継ぐよう促した。91歳の村山氏は安倍首相に対して、侵略および植民地支配の文言を維持するよう促した」と報じた。
中国社会科学院日本研究所の研究員である馮昭奎氏は9日、環球時報に対して、「日本は侵略中に大東亜共栄圏の構築に取り組み、鳩山元首相も東アジア共同体を提案した。これは日本が東アジアから離れられないことを意味している。人々はよく日独を比較するが、歴史問題および隣国との関係の適切な処理こそが、国益に合致することが分かる。ドイツは適切な態度を示し、自国の国防軍を手にした。日本の自衛隊が軍隊になろうとすれば、国内外から反対の声があがる。国連安保理常任理事国入りに至っては、話にならない。正確に歴史を見据えることで、当事国に利益がもたらされる。ドイツは日本がこれを認識するための最良のモデルであるが、日本はこれを徹底的に認識してはいない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月10日