「“論説体”中国語」読解力養成授業システム
(通称『レベル』学習システム)開発の試みとその成果について

「“論説体”中国語」読解力養成授業システム
(通称『レベル』学習システム)開発の試みとその成果について。

タグ: 論説体

発信時間: 2015-12-04 08:49:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

2)材料の調達

この点はさして考える必要もなかった。選択の余地がほとんどなかった、と言った方が正確かもしれない。

論説体となれば当然新聞か雑誌になるが、当時最もポピュラーな、といえば人民日報に他ならなかったし、なにより改革開放が始まり次々と新語が出現する中で、恋意的に作られ泡沫のように消えていく新語なのか、それとも認知されて教材として扱う基準に適している語かの判断が求められ、となれば新語に対し相応のチェックが行われている人民日報に如くは無し、と考えるのは至極当然の結果だった。

3)進歩の度合いを確認するシステム

受験勉強で国語や英語の読解力を強化しようとしても白分の進歩の度合いが目に見えてわかりにくいため、自分が今行っている勉強方法に疑問と不安を持ち、モチベーションの持続に悩んだ経験を持つ人は多いだろう。

この不安を解消し、やる気の持続を図らなくては、どんなにいい教育方法も絵に描いた餅になる。そこで考えたのが「レベル」を設定し、一定の成果を挙げたら次のレベルに進める、という形で達成感を持たせることであった。それも大まかなものではなく、かなり細かに多くのレベルを設定し、努力すれば頻繁に昇級できるようにして,向上する喜びを度々感じられるシステムにしなければならない。

こうして、まず10段階くらいを設置しようということを考えた。そこで第4の問題が浮上した。

4)難易度の設定

ここでヒントになったのが上述の意合法である。どんな言語でもセンテンスが長くなればそれなりに難易度が増すことが考えられる。しかし、日本語のように接続詞が完備されている言語では、文が長くなることによってさほど急激に難易度が上昇することはない。

しかし中国語の場合は違う。文が長くなればフレーズが増え、そのつながりを読み取る能力が要求される度合いも当然等差級数的に増える。時にはそれが絡み合うことで等比級数的にさえ成り得る。

こういった判断から、文の長さ、を難易度を決める物差しの1つとして採用することにした。そこで人民日報の文の長さを字数によって調べてみた。当時の記録では、いくつかの紙面で統計を取ったところ、大まかな比率は以下のようになった(ちなみに、今回の執筆にあたり、再度いくつかの紙面で同じ調査を試みたが最も多いのはやはり40文字前後で、ほぼ同じ比率が得られた)。

0~30文字:31~50文字:51~70文字:71~90文字:91文字以上

1 : 2 : 1.5 : 1 : 0.5

その後、人民日報から毎週の問題を抽出する作業を長年続けてわかったことは、やはり基本的な長さは40~80文字前後であること、政治・思想・文学批評のような文章は100文字以上もかなりあるが、一般記事の歯切れの良い文章は概ね20~60文字程度で、100文字以上の文はまずお目にかからない、ということだった。

こうして文の長さによってレベルを5段階(20文字前後/40文字前後/60文字前後/80文字前後/100文字前後)に分けることとし、更に同一の長さでも文構造の難易度によって2段階にわけ、以下のような10段階をセッティングした。

レベル1:1センテンス20文字前後。構文が比較的易しい。

レベル2:1センテンス20文字前後。構文が比較的難しい。

レベル3:1センテンス40文字前後。構文が比較的易しい。

レベル4:1センテンス40文字前後。構文が比較的難しい。

レベル5:1センテンス60文字前後。構文が比較的易しい。

レベル6:1センテンス60文字前後。構文が比較的難しい。

レベル7:1センテンス80文字前後。構文が比較的易しい。

レベル8:1センテンス80文字前後。構文が比較的難しい。

レベル9:1センテンス100文字前後。構文が比較的易しい。

レベル10:1センテンス100文字前後。構文が比較的難しい。

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