「“論説体”中国語」読解力養成授業システム
(通称『レベル』学習システム)開発の試みとその成果について

「“論説体”中国語」読解力養成授業システム
(通称『レベル』学習システム)開発の試みとその成果について。

タグ: 論説体

発信時間: 2015-12-04 08:49:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

5)難易の尺度

当初は主として介詞構造を含む文を難度の高い文としたが、その後、添削を続けるうちに「学習者が何を難しいと感じ、また何処で間違えやすいか」が次第に明らかになり、それによって易しい文、難しい文の尺度も変化していった。学習者が難しいと感じる原因には少なくとも以下の諸要素がある。

①中国語は字が一定間隔で並んでいる。したがってどれが単語かが見分けられない。

例:发展中(発展の中で)

发展中国(中国を発展させる)

发展中国家(発展途上国)

②中国語は形態変化がないため、品詞の区別が難しく、文の成分の判別も難しい。

例:科学发展→「科学が発展する」か?それとも「科学的発展」か?

③構文を知らない。

例:“要~,要―――''は「~しようとするなら,―――しなければならない」

④論説体独特の文法や修辞法を知らない。

例1:“的”の省略。書き言葉の場合,短いフレーズの中に複数の“的”を用いることを非常に嫌う。したがって、“的"が複数ある場合は最も重

要な1つを残し、他は省略する。標語や法律名などになるともっと極端で、全く“的”を使わない場合もある。

「邓小平建设有中国特色社会主义理论」

(鄧小平の中国的特色を持った社会主義を建設するという理論)

例2:リズムを整えるための4文字化に使う様々な小道具→“加以”“得到”など。

⑤ある語彙についての先入観による誤訳。

(ア)日本語と同一表記のため、日本語の意味で解釈してしまう。

例:“部署”をすべて「部署」と名詞に訳してしまう。動詞である可能性を考えていない。

:“协议”を「協議」と訳してしまい、「合意」「協定」という訳語が出ない。

(イ)既習語彙の場合、前出の意味で解釈し、他の意味を考えない。

例:“会”を「できる」、“不能”を「できない」と訳し、「~のはずだ」

「~してはいけない」という訳語が出ない。

⑥時事用語を知らないためわからない。

例:“基地”はアルカイダ

⑦社会の事象に対する知識か欠けているためわからない。

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