福島原発の原子炉内の放射線量は、数分内で致死という誰も近づけない水準になっている。現時点では複数のロボットが内部を撮影し、行動計画の策定を推進するに留まっている。大気中に自然に存在する放射線量は0.02マイクロシーベルト毎時だが、福島第一原発2・3号機内は300マイクロシーベルト以上に達している。
この水準だと、3時間滞在することでWHOが提唱する毎年1000マイクロシーベルトの上限を突破することになる。1週間で10万マイクロシーベルト以上に達し、がんになる可能性が大きく上がる。
これは福島第一原発内の最前線で奮闘する作業員7000人超の、5年内の上限でもある。これらの作業員のうち約1000人が東電の従業員で、残りは除染作業を担当する現地の建築業者に雇われている。「フクシマのヒーロー」たちは日当3万円で、命の危険を冒し目に見えない、感じることのできない「敵」と戦っている。
原子炉内の溶融した燃料棒を取り出す技術が現時点ではないため、炉心に水をかけ冷やし続けるしかない。この大量の冷却水に含まれる放射性物質を除去するため、福島原発は最新の水処理設備を導入し、毎日約210立方メートルの水を処理している。しかし地下水汚染は将来的に直面する深刻な問題の一つで、特にこの地震と津波が発生しやすい場所ならばなおさらだ。
長期的な計画を見ると、福島第一原発の廃炉に向け設立された楢葉遠隔技術開発センターは、原子炉内の溶融物質を取り出すロボットの研究開発に取り組んでいるが、これは容易なことではない。炉心の温度が非常に高いからだ。
福島原発の完全な廃炉には約40年の時間と、720億ドル以上の資金を要する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月17日