『環球時報』記者の取材を受けた日本企業関係者の多くは、企業精神に関する話題は避け、神戸製鋼所のスキャンダルの「複雑性」を記者に強調した。上級管理職の山田氏は、「原材料は非常に複雑な産業だ。顧客の要求通りに製品を製造してみなければ、ニーズを満たすことができるかははっきりとはわからない。一種の賭けだ」と語る。山田氏は、ミサイルやロケット、潜水艦などの設備の材料を扱ったことがあるが、「顧客のデータの要求を満たすには大量の実験が必要だし、万一のケースを想定して5倍から10倍の量を生産することもある。そうしても全体の過程で間違いが起こらないことは確保できないし、守らなければならない納期を前に、『大体でいいか』という状況も生まれてくる。もちろんあってはならないことだが、日本では三流の製品の品質が、他国の一流の製品よりも優れているということもある」。山田氏は、神戸製鋼所の信頼は大きく損なわれたが、市場では依然として代替不可能なポジションにあると指摘する。同じ品質の高級アルミニウム製品を神戸製鋼所以外から手に入れようとすれば、ドイツから輸入するしかなく、コストは2.5倍になり、納品にも少なくとも3倍の時間がかかる。「神戸製鋼所がスキャンダルの関連状況を自ら公開し、責任を引き受けようとしたことは、日本企業の精神がまだ残っていることの表れと言うこともできる」
ある日本企業関係者は『環球時報』記者に対し、ここ数年で日本人の「匠の精神」が世界の注目する話題となり、「メイド・イン・ジャパン」に対する期待はさらに高くなり、注目度も高まっていたため、一旦スキャンダルが発生すると、ネガティブな影響がより際立って見えるのではないかと指摘する。「実際には、企業のスキャンダルはこれまでもずっと日本社会に存在したものだ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月19日