日本のチップ産業の発展、中国にとっての教訓とは?

日本のチップ産業の発展、中国にとっての教訓とは?。日本は20世紀に台頭した世界の電子製品大国であり、チップ及び半導体をめぐり米国との蜜月期、圧力を受ける時期、復興の時期を経ている。この各段階を分析することで、我々は多くの教訓を得ることができる…

タグ:チップ 産業 発展 製造 半導体

発信時間:2019-07-03 11:09:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 通産省電子技術総合研究所は1976−80年に、日本最大の電卓メーカーである富士通、日本電気、日立、東芝、三菱電機を率いてVLSI(超高集積固体回路)技術研究組合を発足した。この組合は最終的に、1ナノメートルの加工精度という目標を達成し、1980年に米国より2年早く、幅広い用途を持つVLSI、256KビットDRAMを開発した。


 1987年には日本の世界DRAM市場におけるシェアが80%に達し、世界トップ10のチップメーカーのうち6社が日本企業になった。日本は一時、「半導体トップの夢」を叶えた。ところが日本の主流製品はDRAM分野で優れた成績を収めていたが、マイクロプロセッサというより高級なチップは米国に握られていた。これは米国が複雑な新製品の設計と研究開発を得意とし、日本人が加工及び生産技術に長けているということだ。


 技術的に見ると、チップ産業にはチップを製造する産業、チップの加工に必要な生産設備を製造する産業、チップの加工に必要なシリコン単結晶などの各種材料を製造する産業がある。うち後2者はチップ製造産業の両翼であり、これがなければチップ製造産業は羽ばたくことができない。


 上述したVLSI技術研究組合が活動を開始した当初、日本のチップ産業は主に米国や西欧からの輸入に依存し設備を生産していた。研究活動の展開に伴い、組合は国産設備・材料の使用に転じていった。これは次の戦略的思想を示した。すなわち「超大規模集積回路」の開発を契機とし、チップ生産設備及びチップ材料産業の発展を力強く推進することで、日本のチップ産業を国産設備・材料を用いる独自の自主的な産業部門に変えるということだ。


 日本はトランジスタとチップを含む半導体技術で米国を追い抜くことに成功し、米国の半導体産業に大きな競争の圧力をもたらした。これを背景とし、米国は「悪巧み」を始めた。米国は1985年に通商法301条に基づき日本の電子製品に制裁を発動した。さらに同年、米国がメガホンをとるプラザ合意により、急激な円高を引き起こした。米国の強い圧力を受け、日米両国は1986年に「日米半導体協定」を結んだ。同協定の実施は日本のDRAMメーカーが完全に米日政府の監視下に置かれることを意味する。


 米国はその後上述した規制を通じ、付加価値がメモリチップの10倍もあるCPU技術により、発展の勢いで日本を圧倒した。1993年には半導体市場のシェアでトップに返り咲いた。また韓国などのアジア諸国・地域が技術導入と人材引き抜きの発展モデルを採用したことで、日本の半導体産業は挟み撃ち(米国のCPUと韓国のDRAM)を受けた。観光のチップ産業は米国から力強い市場サポートを受けたため、日本に挟み撃ちをかけたのは米国と言える。


 この歴史の流れを見ると、米国は他国に技術面で追い抜かれることを容認できず、同盟国であっても容赦しないことが分かる。ところが、日本政府は米国の圧力を受け手を挙げて降参したが、日本企業は技術面で降参しなかった。


 日本の世界チップ市場におけるシェアが下がり続け、50%以上から10%未満になった。これは主にDRAMとCPUという大規模な市場を持つ汎用チップの国際競争に負けたからだ。ところが現在の日本の半導体メーカーは、2020年代に主流製品に成長する見通しのチップに力を入れている。さらに自動運転システム及び自動運転車用チップ(MCUなど)、IoT関連チップ(MCU、SOCなど)、ロボット用チップなどの分野で世界のトップに立っている。


 特に半導体の全産業チェーンを見ると、日本は重要材料14品目で50%以上のシェアを占めており、世界最大の半導体材料輸出国になっている。日本のシリコンウェハメーカーは世界市場で53%のシェアを占めており、世界の200−300ミリ大型シリコンウェハの市場シェアは70%以上だ。昨年の世界トップ15の半導体生産設備メーカーのうち日本企業は7社で、米国は4社、欧州は3社だった。半導体産業にとって、材料は基礎であり、重要なのは設備だ。材料と設備のメリットという「両翼」のサポートがあり、日本の半導体産業にはまだ復興の希望が残されている。そのため日本の半導体の発展は、新たな道を見つけたと言える。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月3日

<  1  2  


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで