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このため、中国が問題視しているのは政治や経済のことであり、軍事上のことでない。アジアにおける米国の影響力を喪失させ、中国包囲網に基づくアジア諸国間の結束を妨げることができるかどうか、また、アジア覇権にふさわしい経済力、軍事力を持つことができるかどうか、中国の思惑はそこにある。もう一つの思惑として考えられるのは、アジア地域の一体化を進めて行く中で、中国がその大きな役割を担うということである。ヨーロッパ地域の長期的な平和を達成するための制度を構築したように、アジアの一体化においてもそのような制度を構築していかなければならない。
この意味からすると、中国の台頭はアジアにおける米国の地位を脅かすものだと言える。米国はかつてアジアに覇権者が出現することを反対していた。それは今も同様である。そうした考えは、米中共通の目標と見なされ、1972年に調印された米中共同声明の中にも盛り込まれている。だが米国の国力によりこの目標を果たせるにしても、それは軍事的な手段ではなく、政治および経済的な手段で実現しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月31日