BRICSはただ、協力的な立場で、本国の発展の権利を得たいだけなのだ。5カ国は政治、貿易、気候などそれぞれ西側から圧力をかけられている。西側と摩擦になると、常に力不足を露呈している。BRICSの相互支持はこれまで西側との外交リスクともなったが、今後はそうとも限らない。
BRICSのメカニズムは、メンバーの対立解消にも役立つ。5カ国は資源や貿易機会など各方面で競争している。例えば中国と印度は国境問題を抱え、各国の発展形態には違いがある。5カ国間、特に地理的に近い、中国、ロシア、インドは長い間、良好な競合を保ち、アジア大陸ないしヨーロッパ大陸の政治経済の安定に極めて重要な役割を果たしてきた。
南アフリカを除く各国の人口はいずれも1億を上回る。米国が戦後にドイツと日本の再建を手助けしたように、西側がそのうちの一国を大いに手助けするようなチャンスはもうない。西側はロシアやブラジル、さらには10億人もの人口を抱える印度や中国を飲み込むことはできないという声もある。新興国の今後の戦略はいずれも、新興国の急成長に対する西側の意識的或いは無意識の壁をいかに取り払うかにある。
今回の首脳会議は画期的な新興大国の外交であり、壁の外の新しい町にタワークレーンを建てるような、長年、古い道を歩んできた世界が再び活気を取り戻すきっかけとなる。ただ、町の中でも、町の外でも不安は広がっている。首脳会議ですぐに現実的な問題が解決されるわけではないが、世界に活力を与えることが非常に重要になってくる。こうしたことから今回の首脳会議は、5カ国の首脳が世界にPRしようと、雑談をしたのではないことは明らかだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月14日